WEBマーケティングにおける『ペルソナ』とは|ビジネスでの意味や作り方を解説

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ペルソナの具体例になりうる美しい女性

マーケティングに携わってると度々「ペルソナ」という言葉を耳にする機会があると思いますが、その意味を正しく理解し活用されている人は多くないと思います。

マス(大衆)をターゲットにした大掛かりな広告戦略から、個別特定の顧客に対してアプローチをしていくダイレクトマーケティングへと時代の潮流も移行していることもあり、ペルソナ設定の重要性は今後のビジネスシーンでますます重要になるでしょう。

それは、インターネットを活用してセルフブランディングを高めていくフリーランス的な働き方をしている人には当然のことですが、不特定多数の人が顧客になる可能性が高い、メーカーや店舗型のビジネスに関しても同様です。

この記事では、僕が普段やっているような方法を踏まえながら、ペルソナの重要性や作り方を解説していきます。ぜひ参考にしてください。

ビジネスマーケティングにおけるペルソナの意味とは

ペルソナとは直訳すると「人格」という意味になりますが、マーケティング用語としてのペルソナは「理想的な顧客像」ということになります。

ビジネスをしていると様々なタイプの顧客がいますが、その全てが自分にとって理想的なお客さんかどうかというと、確実にそうとは言えません。

その中で、どのような人を顧客にしたいかを考えることで、提供する価値が変化したり集客の方法も変わっていくものです。

だからこそ、ペルソナ設定は非常に大事になるのです。

ペルソナとターゲットの違いについて

よく「ペルソナとターゲットの違いって何ですか?」と質問されることがありますが、僕の中での答えは「具体性と規模感の違い」です。

  • ペルソナ:自分にとって理想的な、たった一人の顧客のイメージ
  • ターゲット:ペルソナが持っている数多くの特徴のうち、一部でもその特徴を持っている人

こう考えると、わかりやすいと思います。

例えば、

ペルソナの具体例

これくらい具体的に想定してあげれば、だいたいどんなタイプの人で、普段はどのようなライフスタイルを送っているのか、なんとなくのイメージがつくと思います。

そのペルソナを構成する要素を少しでも満たしているような人は「ターゲット」と定義してあげるといいですね。

ただ、ペルソナは顧客における唯一無二の理想形で、そのような人を顧客にするのは非常に可能性として難しいです。そのため、実際に顧客になることが多いのは「ペルソナの要素を少しでも満たしている存在」であるターゲットだと捉えてあげましょう。

ペルソナの作り方と活用方法

ペルソナは具体的に設定する

ペルソナを作る際には、とにかく具体的に人物像を設定していくことが重要です。

先ほども例に出しましたが「都内の大学に通う女子大生」くらいの抽象度だと、その人がどんな価値観や考え方を持っていて、どんなライフスタイルを送っていて、どんな消費傾向を有しているのか、全くイメージが具体的に膨らまないですよね。

ここで、キリンビールの『一番搾りフローズン<生>』という商品におけるペルソナ設定の事例を見てみましょう。

  • 28歳男子。同性に好かれる、優しくて好奇心旺盛な人。
  • 情報感度が高く、流行モノの取り込み方やその発信力にも長けている。
  • 自分の仕事が好きであり、誇りを持っている。(クリエイター、建築士など)
  • 都心に住みながら、開放的なゆったりとしたライフスタイルを送っている。
  • カジュアルで気取らない。オシャレな短パン、サンダルで街を歩く。
  • 男子ご飯の世界観。自分の家に友人を呼んで料理を振舞う。

明るくオシャレで、自分の好きなモノに囲まれたライフスタイル。カジュアルで気取らない、開放的な空間を好むという若者像です。ウィークデイは仕事をしっかりこなしますが、週末は目黒川周辺のカフェでのんびり過ごしたりします。サーフィンが好きですが、都会生活が好きなことと、仕事優先の価値観を持つため、湘南には住みません。しかし、都会でありながら時間の流れが緩やかな中目黒に住んでいる。お酒は外で飲むよりも、仲間と家飲みをします。その際は、ハイボールを飲んでいる。という具合です。

出典:体験デザインブランディング コトの時代の、モノの価値の作り方(著:室井淳司)

このように、どのような価値観を持ち、どんなライフスタイルを送っていて、何を大事にしている人なのかがわかるよう、具体的に人物像を掘り下げていくことが重要です。

ペルソナはブランドを体現する顧客になる

自分とっての理想的な顧客になる「ペルソナ」は、自分自身(もしくは商品、店舗)を体現する象徴的な顧客として機能するようになります。

例えば、同じミュージシャンという括りでも『長渕剛』のファンと『椎名林檎』のファンは全く傾向が違いますし、同じカフェという括りでも『WIRED CAFE』の利用客と『コメダ珈琲』の利用客では印象が大きく違うはずです。

人は特定のブランドをイメージするとき、そのブランドをヘビーユーズしている顧客の存在に大きく影響されるものです。

以前、とある有名なストリート系のファッションブランドの店員と話した時に「ダサい人には積極的に商品を売らない」という話を聞いたことがあります。なぜなら、そのブランドのロゴが入った商品をダサい人が持ってしまうと、そのブランドはダサい人が持っているブランドとして認知されてしまうから。

このようにブランドとは「誰が顧客になっているか」に影響を強く受けるものなので、ペルソナ設定をする際は「どうしたら売れるか」も大事ですけど、長期的な視点に立って「自分たちのブランドを体現してくれる顧客はどんな人が相応しいか」という考え方も重視してみましょう。

ペルソナのリアルを知る

ペルソナのことを知るためには「ひとりの生活者としてのペルソナをちゃんと理解する」ということが重要です。そこをやらないと、具体的なペルソナの条件を想起できないし、ひどくリアリティが欠けたものになってしまいますから。

これはアンケートとかマーケットリサーチとか難しいことを考えるのではなく、とにかく「人間を知る」ということが大切です。

アンケートでは人の本音やリアルな息遣いを感じることはできないし、そもそも自分のことを「マーケット」だと認識して生活している人なんて誰もいないはずだから。

だから、直接対話をする機会を設ける(堅苦しい空気じゃなくて、座談会とかお茶会とかゆるい感じで)とか、あとはペルソナに近い人のSNSでの発信を追いかけてみるとか、リアルを知るための努力を行っていきましょう。

僕も様々なビジネスのコンサルを機会がある以上、誰か他者と関わるときは必ず「この人は何に興味があって、どんな価値観(優先順位)を持っているんだろう」ということを常々意識するようにしています。

ペルソナの好きなものリストの一部になる

ブログやSNSなどで情報発信をしている場合や、商品や自社のブランドを築いていく場合は、ペルソナの好きなものリストの一部になるという発想が大切です。

例えば、ペルソナ設定を効果的に活用し成功した商品の例として、カルビーの『ジャガビー』というスナック菓子がありますが、ジャガビーのペルソナは「文京区に住んでいてヨガと水泳にハマっているオシャレな27才女性」というものでした。

見事にスナック菓子からはかけ離れている人物像ですが、あえてそこを切り崩しにいったのです。

そこでジャガビーは、パッケージを落ち着いた色とデザイン(スナック菓子の業界的には非常識)にして、オシャレな独身女性の部屋にあっても浮かないようにしたほか、テレビCMには20代後半女性からの支持が強い、モデルのヨンアさんを起用しました。

このように、ペルソナの「好き」を自分の商品や発信に取り入れていくことで、ヨガやファッションなどへの自分磨きへの感度が高い洗練された女性の「好きなものリスト」にジャガビーも入り込むことができたのです。

ペルソナ設定に取り組むメリットは?

集客の精度と効率が上がる

理想的な顧客像としてのペルソナがハッキリすると、どんな人を集客すればいいのかもクリアになるので、集客の精度や効率が上がりますよね。

例えば、

  • 誰でもいいから彼女がほしい!
  • 音大に通っていて、服の好みはナチュラル系で、読書好きでおっとりしている彼女がほしい!

という場合では、前者は対象が広すぎて「どうやったら出会えるのか」も曖昧ですよね。(実際は「誰でもいい」ならそこら中に対象者が溢れているにも関わらず)

集客すべき対象が具体的になればなるほど、集客戦略も具体性が増します。

SNS広告での属性の絞り込みも容易になりますし、SEO集客する場合でも検索キーワードをかなり具体的に考えることができます。リアル集客を行う際も同様です。

その結果、無駄な集客方法に時間や予算を突っ込まなくてもよくなるので、かなり効率化も進みますね!

発信の精度が上がり成約率も上がりやすくなる

またペルソナが明確になることで、

  • ペルソナに喜んでもらえるような情報発信をする
  • ペルソナが欲しくなるような商品を作る

ということが容易になるため、発信の精度も高まるし、商品を販売した時の成約率も高まりやすくなります。

例えば、僕がヘッドスパに行きたいとして、

  • どんな人でもウェルカムなヘッドスパ
  • PC仕事で眼精疲労に悩まされてる働くメンズのためのヘッドスパ

のうち、行きたくなるのは間違いなく後者です。

人は「自分のために作られた商品やサービス」を欲しくなるし「自分のために歌われている歌」を聴きたくなるものだから、「誰でも響くもの」ではなく「超特定の誰かに響くもの」を提供するようにしていきたいですね。

顧客が新しい顧客を呼ぶようになる

マーケティングの原則に「新規顧客は既存顧客を見て顧客になる」というものがあります。

以前、知人の女性が土地勘のない駅の飲み屋街で居酒屋を探していたところ、あまり綺麗とは言えない大衆居酒屋のような店を見つけたことがあったそうです。彼女はその店の外観から「この店はやめておこう」と考えたそうですが、店の外から見える席にて、若い女子の集団が楽しそうに飲んでいるのが見えて「やっぱりこの店にしよう」と思い直し、来店したのです。

このように、自分とタイプの似ている人が購入している商品や参加しているコミュニティには自分も興味を持ちやすいものです。

従って、ペルソナの像をハッキリさせて、そのペルソナを実際に集めてこれて価値提供できるようになれば、新規集客にも大きな効果が生まれるようになりますね。

マーケティング担当者での認識のすり合わせが容易になる

一般的な企業などマーケティングに携わる人が複数人存在する場合、ターゲットを漠然と設定しても、人それぞれによって想起する人物像が違ってしまいかねません。

例えば「都内の大学に通う女子大生」とターゲットを決めても、人それぞれ想像する人物像に幅ができてしまいますよね。

これでは効果的なマーケティング活動が行えません。

従ってペルソナという一人の人物像を明確に設定することで、マーケティング担当者での意思統一をスムーズにすることが推奨されます。

ペルソナを作るときの注意点

ひとりのための発信をすることを恐れない

ペルソナを具体的に設定すると、顧客の幅もかなり絞られてしまう気がして、商品を販売したりビジネスを仕掛ける側としては恐怖心を感じてしまうかもしれません。

ただ、それがゆえにペルソナの抽象度を上げてしまうと、誰にでも響くようでいて誰にも響かない発信になってしまいかねません。それでは本末転倒です。

誰かひとりのための発信をすることで、メッセージが具体的になり、メッセージに込められた熱量も高まります。すると、その熱量の高さが伝播してペルソナではない人でさえもメッセージに熱狂することになるのです。

先ほどもお伝えしましたが、ペルソナは超具体的なひとりの顧客像で、ペルソナを構成する要素を一つでも有する人は「ターゲット」になります。特定の一人に向けて発信をすると、そのペルソナの要素を持つターゲットも反応してくれるようになるので、ひとりのための発信を恐れないようにしましょう。

ペルソナとの出会いは究極のゴール

つまり、実際にお客さんになってくれる顧客は「ペルソナ」そのものというよりも、ペルソナの要素を持つ人であったり、ペルソナに向けたメッセージに響いてくれる人ということになります。

ペルソナとは自分にとって究極の理想形となる存在で、そのような人と見事に出会うことは非常に難しいです。(というか、まず無理)

例えば、映画『モテキ』の長澤まさみさんのような人をペルソナにしても、そんな人がお客さんになる確率なんてめちゃくちゃ小さいわけですよね。

したがって、ペルソナとの出会いはビジネスにおける究極のゴールと言っても過言ではありません。

実際に顧客になる層がペルソナと違っていることは往々にしてありますが、漠然としたターゲットに響かせるために、敢えてペルソナというひとりの理想の顧客像を設定する…と考えていただければと思います。

顧客コミュニティとしてのペルソナをイメージする

多くのマーケティング活動において、理想の顧客像としてのペルソナは「ひとりの人間」として定義されることが多いはずです。

ただ、実際には顧客はひとりだけではないですし、消費者のマインドも「どの商品を買うか」から「どの商品の顧客コミュニティに属したいか」という点を重視するように変わってきています。

例えば、Appleストアの店内にいる洗練された顧客に憧れてWindowsからMacへの変更を検討する人、ニューバランスのスニーカーを履いているオシャレな人たちの一員になりたくてニューバランスを購入する人…といった具合です。

店舗型のビジネスであれ、製造業や小売業であれ「ブランド」を前提にした商売をしていくのであれば、どんな顧客の群れをデザインしたいか、という点も考慮すべきではないかと思います。

つまり、ひとりの理想的な顧客像としてのペルソナを作ったら、同様に「集団としてのペルソナ」を考えてみると、イメージもよりリアルで鮮明になるのでオススメです。

まとめ

今回は「ペルソナ」についてお伝えしましたが、特に個人でビジネスをする場合など、小さな規模で確実にマーケティングで成果を出していく際にはペルソナという概念は非常に大事になります。

「誰でもいいからとにかくいろんな人に売る!」みたいなビジネスは規模の経済が可能な巨大資本じゃないと厳しくなるし、個人など小さな事業主が取るべき戦略は間違いなく、自分にブランドを作る戦い方です。

そのためにも「誰のための発信をするのか」を明確にして、ペルソナの心を魅了する発信や商品作りを心がけていきましょう!