ネットビジネス界隈では一時期『情報商材アフィリエイト』という手法(稼ぎ方や恋愛テクニックなどのノウハウを解説する『情報商材』をアフィリエイトするビジネス)が、プロダクトローンチという販売手法と合わせて大流行しました。
そのような背景もあって『情報ビジネス』というと、『情報商材を売る』とか、『役に立つノウハウを提供する』、『稼ぎ方や痩せ方、モテ方などハウツーを教える』という印象を持つ人も多いと思います。
現に僕が『情報発信をやりましょう!』という趣旨のメッセージを送ると、たまにですが『私は稼ぎ方を教えるのに抵抗があります…』という反応をいただきます。
でも、『情報発信』はハウツーを教えるビジネスではないのです。
稼ぎ方を教えるだけでは限界が来る。
以前、まだ情報発信というビジネスに取り組む人が少なかった頃は、『稼ぎ方』を教えるというビジネスでも十分に成果を出すことはできました。
でもネットビジネスがある程度メジャーになり、実践者も増えてきた昨今では『実績構築→情報発信』という流れは『ネットビジネスの王道ルート』と呼ばれるようになりました。
『実績を作ったら、その実績を元に情報発信をしよう!』という流れが一般化し、『稼ぎ方を教える人』が続々と登場するようになってしまったのです。
確かに『ビジネスで稼ぎたい人』に対して『稼ぎ方を教える』というのは需要と供給が一致しているようで、素晴らしいビジネスモデルかもしれませんが、顕在化した需要を満たすようなビジネスモデルでは、当然ながらライバルがたくさんいます。
ブルーオーシャンの時代なら一人勝ちできたビジネスも、レッドオーシャンになると他のライバルや先行者の存在もあって思うように成果を出すことはできなくなってしまいます。
『アフィリエイトの方法を教えます!』とか『○○ダイエットの方法を教えます!』のような『機能的価値』に比重を置いた発信をして『機能を教えるビジネス』を行っていくと、スペック競争に陥ってしまい、ライバルたちとスペック勝負をすることになってしまいます。
つまり、自分よりも稼いでいる人や自分よりもノウハウに詳しい人が表れたら、そっちにお客が流れていってしまうのです。例えば、あなたが『稼ぎ方』を教えるビジネスをしようとして見込み客を集めても、既にコンサル生がたくさん成果を出しているAさんがいたら、お客は実績を比較してAさんのサービスを購入する可能性が高くなります。
もちろん、『実績』以外の魅せ方で自分の商品をアピールする方法はありますが、スペック勝負になってしまいがちな『ハウツー』を売るのは、あまりおすすめできるビジネスではありません。
よく『自分のブランドを創ればライバルが不在になる』とも言いますが、だったら最初から『ライバルが不在な商品を売ろうよ』と考える方が健全ですね。
理想の未来をデザインして提案するビジネス
それでは、僕たちは何を売るビジネスをすればいいかというと、その答えは『理想の未来』です。
まずは自分が心から実現を願う理想の未来を打ち立てて、それに共感・共鳴する人を集めてくる。(集客)
そして集まってくれた人に対して、メルマガなどを通じてあなたの価値観や想い、理想像を理解してもらい、あなたのライフスタイルや哲学に憧れを感じてもらいながら信頼関係を築いていく(教育)
最後に、濃い見込み客になった彼らに対して、理想の未来を実現するために必要なものを商品として売っていく(販売)
こんなイメージで、『理想の未来をデザインして売る』というビジネスを行っていきます。
例えば、僕ならいわゆる『稼ぐ系』をメインとした情報発信をしていますが、実は『稼ぎ方を教えます』という体で、ノウハウを教えているわけではありません。
僕がやっているのはあくまで『理想のライフスタイルの提案』で、まず『人生は死を持って完結するアートであるから、自分の人生という名の作品を最高傑作にするために、自分らしいライフスタイルをデザインしていこうよ』っていう価値観を発信しています。
そして、独立したライフスタイルデザイナーとしての生き方を発信して、今の僕のライフスタイルに憧れを感じてもらい、それを実現するための道のりで『障害となるものを取り除く手段』を商品化して販売しているのです。
だから、僕が仮に恋愛系のノウハウを売っても問題はないし、『みんなでキャンプに行こう!』という企画を打ち立てても何ら不自然ではありません。
『ネットビジネスを教える』とか『ダイエットの方法を解説する』とか、そういう局所的なテーマに縛られているとライバルも多くなるしビジネスの可能性も小さくなります。もちろん見込み客の幅も狭くなりますよね。
でもそうじゃなくて『理想のライフスタイルをデザインして提案する。その過程で必要なものを売っていく』というスタイルのビジネスなら、誤解を恐れずに言うと『何でもあり』になるのです。
ノウハウを起点とするビジネスではなくて、自分のライフスタイルを起点とするビジネスをすることが、これからの時代で必要になる考え方です。
だから『稼ぎ方を教えるビジネスをやりたくないです』と言って情報発信を敬遠する人。逆に『情報商材アフィリエイトをしたいです』と言ってビジネスを限定させてしまう人。彼らは非常にもったいないなぁと思う次第です。
あらゆる業界がライフスタイル産業化する。
商品が起点ではなくて、ライフスタイルが起点となるのは、いわゆるネットビジネス業界だけでなく全てのコンシューマー向けの業界で言えることです。
例えばスターバックス。僕のメルマガなどでも多々マーケティングの解説例として登場するスタバですが、スタバが売っているのは、コーヒーやフラペチーノなどのドリンクではありません。(もちろんスタバのフラペチーノは美味しいですが)
スタバが売っているのは、雰囲気や空気感であり、もっと言うと『スタバの商品を購入することで手に入る自分』です。
よく『スタバとMacBookは意識高い系の必需品』と揶揄されますが、都会のオシャレなスタバに入ってMacBookをカタカタ動かしている自分を想像すると、なんだかとてもカッコいい気分になる人は多いです。
またオシャレな美女が、乱雑に英語の筆記体が書かれたスタバの容器を持って通りを颯爽と歩いていると、やはり何だかカッコいい気がします。(彼女たちはドトールやタリーズではなく、やはりスタバをテイクアウトしているのです)
つまり、スタバは『スタバの商品を買うことで、なることができるカッコいいあなた』を売っていると言っても全く過言ではありません。
それはファッションブランドでも同じです。ファッションブランドが売っているのは洋服ではなく、その洋服を手にした後の購入者の未来のライフスタイルです。
だから、最近多くのセレクトショップが日用品やキャンプグッズ、あるいは本を取り揃えるようになったり、飲食業に進出したり、ワークショップを開講するようになっているのも、あれはビジネスの軸がブレているわけではないのです。
『理想のライフスタイルを提案する』という軸に沿って、そのために必要なモノを商品化しているわけで、もし『洋服屋は洋服だけ売ってろ!』みたいに言う人がいるなら、それは『稼ぎ方を教えるのに抵抗があるから情報発信したくないです』と言う人と性質がとても似通っていると思います。
あと最後に例を1つ。
キングコングの西野亮廣さん。彼は元々お笑い芸人として多くのバラエティ番組などで活躍されましたが、最近ではアーティストとしての活動を行ったり、トークライブを1人で開いたり、クラウドファンディングを使って様々なビジネスを考案したり、学校を作りたいと言ったり、『芸人』という肩書を捨てることまでありました。
ちなみに彼は以前とあるメディアで『ライバルはウォルト・ディズニー。日本では一番自分がその域に近いと思っていたけど、セカオワ(SEKAI NO OWARI)がすぐそこまで迫ってきていて怖い』といった感じの発言をしていました。(うろ覚えなので違っていたらごめんなさい)
古い価値観に囚われた人の多くが西野さんを笑い否定的な意見を持っていました。(『お笑い』として捉えるなら、ここで西野さんを笑ってあげるのが正解かもしれませんが…)
ただ、起業家の方や新しい時代を生きる感性が豊かな若い世代の人たちの間では、西野さんを支持する風向きが確実に強くなっています。
西野さんの行っていることは軸がブレているのでしょうか。
考え方の起点をWhat(何をするか)に限定させている旧社会の価値観の人からはそう思われるかもしれません。
しかし、西野さんは『面白い生き方をしたい』という想いを強く持たれているそうなので、そういうWhy(なぜこれをするか)という視点で言うと、一貫してブレていないと言えるでしょう。
これから、あらゆる業界において(古いと言われる業界であっても)、ライフスタイル提案型のビジネスが勝ち残っていく時代になっていきます。一見するとそう見えないビジネスでも、実はライフスタイルを売っていた、なんてことは日常茶飯事になっていくでしょう。
ネットビジネスにおける情報発信という変化の大きな新しい業界なら尚更であることは言うまでもありません。『稼ぎ方を教えます』、『ノウハウをアフィリエイトします』みたいな人は大成しないし、どんどん雲行きが怪しくなっていくでしょう。
何をやるか(What)に囚われたビジネスをするのではなく、自分は何を目指しているのかを明確に打ち出し、独自の哲学に根ざした『理想のライフスタイル』を提案していきましょう。
これが僕たちが取り組んでいくべき、ライフスタイル提案型の『理想の未来を創るビジネス』です。
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