新卒で入ったホワイト起業を24歳で辞めた理由と実際に独立して思うこと

ホワイト企業,辞める

新卒で入社した会社を辞めることに対する世間の風当たりは未だにとても強いのが今の世の中で、退職するのが世間体の良いホワイト企業だった場合、親や周囲からのバッシングの度合いも著しく激しくなるものです。

僕が24歳のときに退職をした会社も、世間一般的にホワイト企業と呼ばれるような会社でした。

僕が会社を辞めるとき、周りの大人たちや家族からは「もったいない」とか「考え直した方がいい」とか「世間はそんなに甘くない」、「最低でも3年はいた方がいいんじゃないか」と、何度も何度もノイローゼになるくらい繰り返し言われました。

ただ結論から言うと、人生は基本的に一度きりなはずだし、自分の人生に責任を取ることができるのは自分だけしかいないはずだから、自分の好きなように生きてみるのが最も自然なことだと思うのです。

ただ、「辞めるのはいつでもできるけど、一度辞めたら引き返せない」のも事実なので、僕は「嫌になったら辞めちまえ!」と無責任に煽ったりけしかけたりするつもりは微塵もありません。

この記事があくまで参考の1つになればと願って、書いていきたいと思います。

新卒で入社した会社について

ホワイト企業

ホワイト企業ランキング1位の会社に入社して…

ホワイト企業の条件や特徴って明確に定義されているわけではなく、各種メディアのランキング等を見ても、その基準は様々です。

事実だけを述べていくと、僕が新卒で入社した会社は某大手就職メディアが選ぶホワイト企業ランキングで1位になったことがある会社でした。そのランキングのつけ方は離職率の低さによるものでしたが、他にもホワイト企業と見なされる条件は色々と満たしていました。

例えば、残業はほとんどなく厳しいノルマもありませんでした。インフラ系の大手企業ということもあり、商社や金融系のようなバリバリした感じではなく、ずっと新聞を読んでいるだけのような上司も実際にいました。

福利厚生も充実していて、大卒社員の平均給料も日本企業の平均よりはだいぶ高い方だと思います。僕はその恩恵を受ける前に辞めましたが、順調に行けば40歳になる頃には大台に乗るような給与水準でした。もちろんボーナスも年2回ありました。

安定した業界であることから倒産や経営危機等の心配もほとんどなく、いわゆる年功序列で終身雇用という日本の大企業を象徴するような雇用制度が根付いていました。そのため上の世代を見ても「仕事や会社自体は面白くないけど、わざわざ辞める理由もないから会社に居続ける」という人が多かったような気がします。

ただ、社内の風通しがよくなかったり、女性社員に対する時代錯誤なセクハラも実際にあったりして、とにかく「古い体質の大企業」という印象がとにかく強かったです。

実際にやっていた仕事と当時の焦燥

僕は文系の総合職で採用されましたが、研修を経て最初に配属されたのは地方の営業所でした。そこで担当することになった業務は「個人宅への飛び込み営業」でした。

その会社では新人の登竜門として1年中ずっと飛び込み営業をしまくる部署に配属されて現場経験を身につけさせるという方針があったのですが、これが本当にキツかったし、どうしても面白いと思えませんでした。

もちろん、組織で働くとはそういう側面もあるはずだし、自分が楽しいと思えることだけで構成される仕事なんて存在し得ないでしょう。まずは泥臭いことから経験するのも理にかなったことだと思えます。ただ「ここにいたら人生を消耗するだけで終わってしまう」という焦りが大きくて、それが何よりのストレスになっていました。自分の輝きがどんどん失われてしまうとか、もっと違った道があるんじゃないかとか、月並みですが、ずっとそんなことばかり考えていました。

それは学生時代の友人が多い東京を離れて、地方に飛ばされたという影響もあったかもしれないし、周りの上司や先輩たちがあんまり面白そうじゃないというのも大きかったと思います。

会社や仕事への不満を漏らすと「部署を変えてもらったら?」というアドバイスを貰うことも多いと思いますけど、よくしてくれた会社の他部署の先輩からは「今お前がいる場所が一番仕事を楽しめる環境だ」と幾度となく言われましたし、「若いやつには面白くない会社だと思うから、転職の準備だけはしておいたらいい」とも言われました。

ずっと「この会社に居続けて後悔のない人生を送れるのだろうか」と入社当初からモヤモヤしていた自分にとって、色んな部署の先輩から直接話を聞けたことは1つのターニングポイントになりました。辞めることへの自信が付いたというか、今まで会社にしがみつくという発想しかなかったのが、「ひとりでも生きていける自分になる」という発想へとシフトできたキッカケになったのです。

大手ホワイト企業と言われる会社でも辞めたくなることがある

ホワイト企業,辞めたい

ここからはもう少し詳しく、大手ホワイト企業と呼ばれていた会社を辞めたくなったポイントをお話ししたいと思います。

この会社で働く未来にドキドキできなかった

これが一番大きくて、そして本質的な理由だと思います。今の仕事が辛いとか面白くないというだけなら誰もが経験することだし、一時的に「会社辞めたいなぁ」くらいなら誰もが一回は思うことだとも思います。ただ「ずっとこの会社で40年以上働いて終える一生」を考えると、居ても立っても居られなくなりました。

一時的に会社を辞めたくなった時は、ぜひ「この会社でどんな未来を築いていくか」をイメージしてみてください。また自分の頭にある情報や固定概念だけで考えるのではなく、未来の自分が辿るようなキャリアを既に辿っている人の働き方や生き方を参考にしてください。

この会社で働き未来にドキドキできなかった。

これ以上に決定的な要因はないのではないかと思います。

周りの先輩たちに憧れられなかった

先輩たちが人間として嫌いだったわけでもないし、当時の僕が生意気だったこともあるかもしれませんが、ただどうしても「働き方」や「生き方」という面で「将来はこの人みたいになりたい!」という風に思える人が誰もいませんでしたし、仕事がめちゃくちゃできる先輩を見ても「この会社でこの仕事ができるようになったところで、それがどうしたというんだろう?」みたいに思えてしまったのが事実です。

僕は高校や大学OBのツテが強かったことで、入社1年目にしては、比較的いろんな部署の幅広い世代の先輩方とお話しする機会を持つことができました。

その中で、若手の先輩方から言われたのは「この会社にやりがいを持つな」とか「今のお前がやっていること(飛び込み営業)以上に面白い仕事はない」とか「まぁ安定しているし給料も悪くないし…」といった言葉で、ベテランの先輩方から言われたのは「この会社で生き抜く処世術」とか「○○に嫌われたらこの会社では生きていけない」とか、そんな言葉ばかりでした。

田舎での暮らしに耐えられなかった

「じゃあなんでそんな会社入ったんだよ」って言われるのを承知で書くと、僕がいた会社というのは地域密着型の会社で、本社も地方都市にありました。僕はその近辺のさらに田舎にいくことになったんですが、僕は小さい頃からずっと東京に憧れて、大学進学を機に上京してから4年間を東京で過ごしていたんです。

そこから田舎に行くということについて、最初は「いつか慣れるだろう」と思っていたのですが、やっぱりダメだったんですね。

大学の友達もみんな東京にいましたし、その会社で生きるということは、ずっと地方都市に住み続けることを意味していました。(転勤もなかったので)

住む場所を自分で決められないというのがこんなにストレスになるんだと僕はその時初めて気づきました。就職前は「住居の場所」など特に優先度は高くなかったのですが、実は自分にとってめちゃくちゃ重要なことだったんだとその時初めて気づきました。

人間関係と体調不良

今になってようやく僕にも問題があったのだと自覚できるようになりましたが、当時は会社の空気に全く馴染むことができず、馴染もうとしても全部空回りするだけで本当に辛かったです。

配属されるや否や先輩から「この職場は高卒が多いから大卒は肩身が狭くなるけど頑張れよ」と言われ「なんでそんなことで差別されなきゃいけないんだ」と本気で不条理に感じたのを今でも鮮明に覚えています。

右も左も分からない状態で、心を開ける相手もいなくて、なんとか空気に馴染もうとするけど空回りで終わってしまう…。そうなってくると人間って不思議なもので上手く喋ることができなくなっていくんですよね。何かを喋ろうと思っても言葉が出てこなくなって、そんな自分に嫌気がさすけど、それを誰にも言うことができない。

「何をやるかよりも誰とやるかだ」とはよく言われますが、本当にその通りだなと心から思いました。なんかここまで書いてきて「本当にその会社ホワイトなの?」と自分でも疑わしく思えてきたのですが、結構同様の悩みを持った同期は多かったように思います。(特に人間関係)

楽しそうに働いている人たちとの出会い

そんな状況にて「外の世界」に触れてみたくなった僕は、とにかく会社外の人と出会う機会を作るようにしました。それも自分を縛り付けている常識をなるべく破壊してくれそうな人と優先的に。

その中で出会ったのが、あるWEBマーケティング系の会社の社長さんで、友人がその会社で働いている関係で1時間ほど面談をさせてもらえることになったんです。そうしたら、もう見た目から発言から全てが僕の知っている社会人と違って格好良くて「世の中にはこんな人がいるんだ」ってとにかくカルチャーショックを受けました。

もちろん厳しいことも色々と言っていただきましたし「環境を変えても本質が変わらなければ意味がない」ということもわかってはいました。ただ「楽しそうに働いてる人たちがいる環境って確かにあるんだ」ということを肌で知れたのは、当時働いていた会社という狭い世界の常識しか知らなかった僕にとって非常に意味のあることだったんです。

会社を辞めるために実際に取った行動

会社以外の収入源を作る

何か明確な目的意識があるのなら、すぐに会社を辞めてしまってもいいと思います。ただ僕の場合はそうではなかったので「会社が嫌だから辞めた」みたいになっても、これからの人生がうまくいくとは絶対に思えませんでした。だから「とりあえず生きていくのにはお金が必要だから、会社以外の収入源を作って、会社を辞めても生活ができるくらいにはしておこう」と考えることにしました。

会社以外の収入源を作る際にはルールを設けて、

  • 単発ではなく継続的に利益が出るようなことをする(不用品転売とかはNG)
  • 何か将来につながるスキルも同時並行で身につくものにする

この2つは絶対に守ることにしました。

漠然と「WEB系のスキルがあれば損はしないだろう」と考えていたのと、WEBマーケティング会社の経営者の方と面談させていただいた時に「とりあえずひとりでアフィリエイトでもやってみなよ」と言われたことがキッカケで、ブログを立ち上げてGoogleアドセンスをメインでマネタイズすることに。そこからは会社員としての仕事と自分の収入源を作る仕事のパラレルキャリアを歩むことになります。

会社以外のコミュニティに属する

人って良くも悪くも環境の影響を受けやすい生き物じゃないですか。自分が身を置く環境の常識が世界の常識だと思い込んでしまったり、その環境で居場所をなくしてしまうと「世界のどこにも自分の居場所がないんじゃないか…」と感じてしまうのが人間だと思います。

でも環境が変われば常識も変わるし人間関係も激変することってよくあることですよね。高校時代までパッとしなかった人が大学デビューしてキャラが変ったりとか。

どうしても会社員として生活していると、会社というコミュニティが人生の全てになりがちです。でも、それだと世界の広さに気づけないし、どんどん自分の考え方も1つのコミュニティの中でしか通用しないものへと淀んでいってしまいます。(「○○に嫌われたらこの会社で生きていけない」とか本当にくだらないですよね)

僕は会社以外にも「起業家(+起業家志望者)が集まるコミュニティ」に積極的に参加して、そっちの常識や感覚もどんどんインストールするようにしました。あとは当時の自分と掛け離れた働き方をしている人の本やブログやメルマガを読み漁るようにしました。

1つの考え方に縛られていると、自分で自分を苦しめてしまう危険性も高くなります。だから会社以外のコミュニティにちゃんと参加するようにすることはとても大事だと思います。

やらないことを決める

退職することを決めてからは、とにかく「無駄な時間をなくす」ことを意識しました。会社以外の収入源を作るにしても、会社以外のコミュニティと関わるにしても、やっぱり普通に会社員生活を送っていたら、どうしたって時間が足りないわけです。

与えられた時間はみんな平等な中で、自分のやりたいことを実現できている人は、やはり時間の使い方が上手い人だし「やらなくていいこと」に時間を奪われていない人だと思います。だから僕は「会社の人との飲み会」も基本的には行かないようにしたし、先輩から散々やるようにと言われたゴルフもやらないことにしました。

どうしても日系の大手企業にいると業務時間外での会社との関わりが多くなってしまいがちですが、そこに対して場の空気に流されたり思考停止になったりすることなく、「それら全ては本当に自分がやるべきことなのだろうか」と一度立ち止まって考えた上で、「今までやってたけど、これからはやらないこと」を決めるべきです。

ホワイト企業を辞めてみて思うこと

ホワイト企業

最初に出した答えに執着しすぎない方がいい

僕が新卒で入った会社に入社した最大の理由は「ホワイト企業と呼ばれるような会社に行けば、豊かな人生を送ることができる」と信じていたからです。仕事そのものが刺激的でなかったり外に開かれた文化を持つ会社でなくても、残業が少なくて業界が安定していて自分の時間をそこそこ持つことができれば、それが自分にとっての幸せに直結すると信じていました。

仕事にやりがいやエキサイティングな体験を期待するタイプでもないと思っていたし、起業やスタートアップも縁のない世界だと鼻から決めつけていました。

だけど、実際に就職して数ヶ月を過ごす中で「一度きりの人生がこれでいいのか」と思うようになり、本当に自分が求めていたものがホワイト企業などではなく、自分の足で道を切り開いていくことだったり、高い意識で毎日を過ごすことだとようやくわかるようになりました。

自分で決めた道からドロップアウトすることが悪いことだと考えている人は多いです。だけど、実際に月日を経て肌で感じてみないとわからないことも世の中にはたくさんあります。

だから、最初に出した答えに執着するのではなく、いつでも身軽に軌道修正をできるような心の持ち方をすることが何より大事ではないかと思います。ひとつの生き方が唯一解になり得るような時代ではありませんから。

自分の本音は世間の常識で隠されがちなもの

自分の本音というものは常に自ら自覚できるような類のものではありません。なぜなら、長い学校教育や親など近しい人の影響によって、世間の常識やら他人の影響によって染み付いた固定概念が「本音」を覆い隠すようになるからです。

例えば、僕は可能なことならサラリーマン的な働き方はしたくないと思っていましたし、毎日同じような時間に起きて同じ会社に行って同じような時間に帰るという変わりばえのしない生活を送りたくはないと思っていました。

私服で自由な雰囲気の職場で働きたいと思っていたし、場所は東京(丸の内とか新橋のようなオフィス街ではなく、原宿や中目黒)ではないと思っていて、地方都市にほど近い田舎などもってのほかでした。

ただ、就活をしている時には、そんな本音の存在は完全に忘れ去られ、世間の常識や周囲が求めるイメージの世界の中で「やりたいこと」を考えるようになりました。でも、自分の本音とはいつだって周囲の求めるイメージの外側にあるものだということは忘れてはいけないはずです。

世間の常識よりも自分の本音を優先していい。そんなシンプルなことに気づけた時、人生が大きく変わっていくような気がします。

会社がホワイトかどうかと人生が楽しいかどうかは関係ない

僕が会社を辞めた時、周りの大人たちは「あんなに安定した会社を辞めるなんて勿体無い」と口々に言いました。ただ、会社が安定しているかどうかと自分の人生が豊かかどうかってあんまり関係ないんですよね。それに会社が安定しているけど心の状態が安定していなければ、本当に何も意味がないですし。

会社がホワイトかどうかと人生が楽しいかどうかって全然関係ないですし、側から見たらブラック企業のような会社でも、本人が幸せならそれはそれでいいと思います。

長い目で見て楽しくなる方を選んだほうがいい

「仕事が辛いな」とか「会社に行きたくないな」という気持ちは、長い社会人生活の中で誰もが一度は経験する類のものです。だからこそ、いくら「自分の気持ちに正直に生きよう!」といっても、長期的に見た時に今やっていることを続けた方がいい場合はやはり辞めない方がいいのだと思います。

辞めることはいつでもできますが、一度辞めて後悔するようなことがあっても、時間を巻き戻すことはできませんからね。

ただ本当に辛くてしんどくてたまらないのに、その気持ちを押し殺して無理やり続けることもないし、長期的に見て自分の人生が楽しめないのなら、やはり心から楽しめる人生につながる方を選ぶべきです。「ラクかどうか」で選んでしまうと後悔をすることになるので、「未来が楽しそうかどうか」で判断してあげるのは大事だと思います。

一過性の楽しさだけでなく、どんな未来が実現したら楽しいか。そういう基準を守ってあげたら、きっと素敵なライフスタイルにつながっていきますよ。