テンションリダクション効果の意味とは?緊張解消をマーケティングや営業に活かす具体例を解説。

テンション・リダクション(緊張解消)とは心理学用語でありながら、ビジネスマーケティングに活用できるセールスの常套手段で、漫画『ライアーゲーム』でも登場したことで一躍有名になりました。

人は日常において緊張している時もあれば、気が緩んでいる時もありますが、緊張が緩んだ瞬間はミスを犯しやすかったり、注意力が散漫になって普段ならしない選択や行動をしてしまうものです。

この記事では、そんなテンション・リダクション(緊張解消)効果をマーケティングに活用する方法や具体例を取り上げていきたいと思います。

ぜひビジネスの参考にしてみてください!

テンション・リダクション効果の意味は?

テンション・リダクションとは、人は緊張から解放された瞬間にミスを犯しやすいことを意味する心理学用語です。

  • テンション(tension):緊張
  • リダクション(reduction):消滅、減少

人は重要な決断や行動をする時に、集中力が高い緊張状態にあるのが普通ですが、その状態が終わった時は高い集中力の反動で、注意力が散漫になったり心理的に無防備になったりするものです。

その結果、普段なら取らないような行動を取ってしまったり、何か初歩的なミスを犯してしまったり、接する相手に過度に心を許しすぎてしまったり…といったことが起こってしますのです。

テンション・リダクションの具体例

ミスや事故が引き起こされる事例

例えば、何か難しい仕事に取り組んでいる時、自分の中で最難関だと思っていたことがクリアできて「よかった!」と喜んだのも束の間。その直後に普通ならなんともないような場所で凡ミスをしてしまったりすることってないでしょうか。

僕は数学のテストなんかでも、必死に覚えた解法を思い出すのに必死で、細かいところの単純な計算ミスで何点も点数を取りこぼしたことがたくさんあります。

また役者の方が、難しい長ゼリフを完璧に言えたと思ったら、そのあとの些細で簡単なセリフをど忘れしてNGを出してしまうのも、テンション・リダクションのわかりやすい例です。

また自動車教習所で習ったことですが、交通事故を起こしやすい場所は自宅や会社の駐車場近辺だそうです。運転から帰ってきて緊張の糸が緩んだ瞬間に事故が起こりやすいということですね。

買い物で「ついで買い」をしてしまう事例

例えば、アパレルショップやジュエリー店、あるいは自動車のディーラー、家電量販店などで、高額な買い物をするシチュエーションを思い浮かべてみてください。

その商品を買うかどうか悩みに悩んだり、いくつもの店舗を回って比較検討したり、購入に至るまでの時間というのは、眉間にシワが寄り続けているような緊張状態が長く続くものですよね。それだけ「買うか買わないか」という選択は、見込み客にストレスをかけることになるのです。

そして実際に商品を購入することになった顧客は、その緊張状態から解放されます。

そこで店員が追加でオプションを薦めたり、相性の良い商品をセット販売で薦めたら、顧客は「ついで買い」をしてくれやすくなります。

店側はテンション・リダクションの効果を狙って、商品成約後に関連商品を薦めたり、レジの横についで買いしてもらいやすくなるような商品を陳列したりしていますが、どれもクロスセルによる売上アップを狙った戦略ですね。

仕事ができなさそうな営業マンが契約を取りまくる理由

契約をガンガン取ってくる敏腕営業マンというと、ビジュアルもよくて弁が立つ、いかにも仕事ができそうな人が思い浮かぶかもしれません。

ただ、実際のところは口下手だったり、見た目的にもどこかほんわかしていて、あまりパリッとしていない印象の人が、実は営業成績がめちゃくちゃ優れているというケースはよく見受けられます。

いかにも優秀そうな営業マンは相手もつい身構えてしまいがちで、セールスをしようとしても相手の警戒心が強くて上手くいかないことも多いでしょう。

ただ、見た目も話し方も素朴な営業マンの場合は自然と相手をリラックスさせることができるため、相手はつい心を許してしまい、すんなりと契約に至ることも結構あるものです。(漫画『ライアーゲーム』では、この効果を活用してゲームでの勝利に繋げていました)

テンションリダクションをマーケティングに活用するときの注意点

買い物中の女性の画像

緊張状態が強ければ強いほど効果を発揮する

テンションリダクション効果は、緊張状態の程度が強ければ強いほど、期待できる効果の大きさも増します。

例えば、大学受験や就職面接のような人生を揺るがすような大きなイベントの直後は、うっかりミスが増えやすいものです。

また買い物の場合も家や自動車のように、人生に1回あるかないかの大きな買い物と、ちょっと冬物のコートを買うくらいのレベルでは緊張感が全然違います。

なお最初に例に出した『ライアーゲーム』もゲームに負けたら数億円規模の負債を抱えることになるという設定なので、プレイヤーの精神状態も極限まで追い込まれていることになります。

このように緊張状態の程度によって、テンションリダクションの起きやすさや、それによって期待できる効果の大きさも変化することを念頭に置いて戦略を考えていきましょう。

アンカリング効果を意識して、成約商品より安い値段の商品を案内する

テンションリダクション効果を期待して、クロスセル(ついで買いを促すセールス)をするときは、既に成約した商品よりも安い商品を紹介してあげるといいです。

例えば、5000円のTシャツを購入した後に「こちらもいかがですか?」と10万円のレザージャケットを薦められても「せっかくだからついでに…」となるでしょうか。これでは新たな緊張状態を生み出してしまうだけですよね。

アンカリング効果とは、最初に認識した金額が基準になって、それより安い商品を「安い」と感じてしまう効果のことです。

3万円のデニムを購入した人に1万円のベルトを薦めた場合は「安い」と感じられますが、5000円のTシャツを購入した後の場合は、例え同じ値段だとしても「高い」と感じられてしまいますよね。

従って、既に成約した本命の商品よりも安い商品を提案してあげるか、オプションをつけてあげるといったアプローチをしていくことがオススメです。

ついで買いを正当化する理由を与える

人は感情で判断して理屈で正当化する傾向をもつ生き物ですが、ついで買いを促すときは、それを正当化させられるようなもっともらしい理由を与えてあげることが重要です。

例えば、

  • 2点以上のお買い上げで〜
  • 3万円以上のお買い上げで〜

会計が10%オフになるとかはその好例です。

また成約済み商品の価値を更に高めてあげられるような付属品をオプションでつけてあげると「せっかくだから〜」という理由づけができますし、希少性や限定性を推してみるのも当然アリです。

バンドワゴン効果を活用する

バンドワゴン効果とは「みんながやってることは自分もやりたくなる」という人間心理のことを言います。

参考:バンドワゴン効果とは | 日本人に効果的なコピーライティングの実例や逆の事例も

Amazonで買い物をしたことがある方なら馴染みが深いやり方ですが、ネット上で商品を購入した後に「この商品を購入した人はこんな商品も購入しています」みたいな文言と共に関連商品がたくさん表示されることってありますよね。

Amazonでテンションリダクションを活用してセールスしてる例

例えば、ワイヤレススピーカーの商品個別ページを開いてみたら、このように「よく一緒に購入されている商品」として、トラベルケースとケーブルも紹介されました。

ワイヤレススピーカーにことをよく知らないまま購入を検討しているとしたら「みんなもこれを買ってるなら、とりあえず間違いないだろう。まぁそんなに高くないし」と感じて普通に3点ともカートに入れてしまいそうになります。

「みんなもやっている」というのは一つの安心材料にもなり得るので、バンドワゴン効果を活用することで、テンションリダクションの効果を高めやすくなるものです。

テンションリダクションをWEBマーケティングに活用するには

もしネットショップを運営しているなら、上記のAmazonの事例はとても参考になると思います。

またメールマガジンやセールスレターでクロージングを行う場合は、商品購入後に表示されるサンキューページや、購入後に届くメールマガジンにて、アップセルやクロスセルの案内が自動で届くようにすると成約率が上がりやすくなります。

『このページはまだ閉じないでください』のようなコピーと共に、上位プランやセット販売の案内を読ませてあげることで、購入者の関心を引くことが可能になります。

比較的少ない労力で、顧客単価をあげることができるので、ぜひ参考にしてみてください。