インターネットを使ってビジネスを行う人なら絶対に知っておきたいのが「リストマーケティング」と呼ばれるマーケティング手法です。
昨今では、ブログにYouTube、あるいはSNSやnoteなど個人が情報発信をする手段が増えたことで、PC1台とネット環境さえ整っていれば、名もなき個人でもそれなりに収益化できるようになりました。
ただ、ブログやYouTubeから広告収入を得るというビジネスモデルは、他人のプラットフォームを使わせていただくことが前提で安定感に欠けるという見方もできますし、結局は労働集約型になってしまうという懸念点もあります。
一方でリストマーケティングの場合は、プラットフォームに依存することなく、仕組みに働いてもらうことでビジネスのスケールができるというメリットがあるので、オンラインを主戦場にしてビジネスをしていく場合、やらない理由が本当にないんですよね。
僕自身も最初はブログから始めて、今でもブログ収入を安定的に構築し続けているんですけど、基本的にはリストマーケティングを行なって自分で商品を作って販売するのが事業の柱になっています。ここ5年くらいずーっと。
ということで、今回はリストマーケティングの基本的なことから実践の流れまでを、オンラインビジネス初心者の方に向けて紹介していきます。
リストマーケティングとは?
リストマーケティングとは、その名の通り「リスト」を活用したマーケティング手法のことを言います。
古くは商売人にとって最も大事なものは顧客台帳だったと言われていますが、誰が自分の商品を購入したことがあるのか(or 興味を持っているのか)を把握するのはとても大事なことです。
リストとは、自分のビジネスの現実的なターゲットになる人のことを指しますが、リストは主に、
- 購入者リスト
- 見込み客リスト
という2種類の属性で分類することができます。
購入者リストとは
購入者リストとは、その名の通り、あなたの商品やサービスを一度以上購入したことがある人のことです。
楽天などのネットショップで買い物をすると、販売元のショップからメルマガが届くこともあると思いますが、それもまさに購入者リスト獲得のわかりやすい見本のような例ですね。
また最近では飲食店や美容院、あるいはアパレルブランドなどの小売店などで、公式LINEの登録をしたらクーポンがもらえることもありますよね。
お客さん側からすると「LINE登録するだけで商品が安く買えてラッキー!」と感じられますが、お店側からしても「少ない費用で顧客リストを獲得できてラッキー!」なわけです。
それくらい「リストを獲得すること」は商売をしていく上で大きな利があるということですね。
見込み客リストとは
見込み客リストとは、まだ商品を購入したことはないけれど、資料請求やメルマガ登録をするなど、いずれ商品を購入してくれる可能性がある人のことを言います。
あるいは公式LINEヘの登録者もリストとして捉えることもできますね。
ここで大事になるのは、相手の方から主体的に「登録」というアプローチをしてもらい、登録者しか見ることのできないコンテンツ(メールやLINE、登録者限定のコンテンツや特典など)を用意することです。
限定性の高い場所を作って、参加に際するステップを用意してあげることで、フィルターをかけることができるので、より良質な相互コミュニケーションが可能になります。
特にインターネットを使ってビジネスをしていく場合は、SNSのフォロワーを増やすことも大事かもしれませんが、いかにメルマガ読者やLINEの登録者を増やすかを意識すると、長期的視点での収益性の高いビジネスへと繋がっていきます。
リストマーケティングに取り組むメリット
リストマーケティングに取り組むメリットとして以下が挙げられます。
PUSH型のビジネスができる
ブログやYouTubeなどのコンテンツビジネスは、基本的に「読者(見込み客)の訪問を待つ」必要があります。
その一方で、リストマーケティングでは、保有している読者リストに対してメルマガやLINEの配信をすることで、こちら側から主体的に商品やサービスの訴求を行うことができます。
基本的にリストは自ら進んでメルマガやLINEに登録をしているわけなので、こちらのサービスや情報発信に興味を持ってくれる人に対して、売りたいタイミングで商品をオファーできるというだけで、めちゃくちゃメリットが大きいですよね。
プラットフォームに依存しないビジネスができる
ブログやYouTubeの場合は特定のプラットフォーム(検索エンジンやGoogleの広告、ASPなど)への依存度が高くなってしまうため、外部要因の変動に収益が左右されやすいという特徴があります。
例えば、急にブログの検索順位が落ちてしまったり、広告の単価が落ちてしまったり、広告の配信が止まってしまう…ということはインターネットビジネスの場合は日常茶飯事です。だからこそ、スピード感と柔軟性のある個人プレイヤーが成果を出しやすいのもあるんですけどね。
一方でメールアドレスなどの読者の情報(連絡先)を取得して、いつでもコンタクトが取れるようにしておけば、ビジネスとしての安定感がかなり大きくなりますね。プラットフォームに依存しないことによる安定感の高さこそリストマーケティングの最大の魅力です。
仕組み化をすることでビジネスが自動化する
古くは「見込み客リスト」と言えば、名前の他に取得する情報は住所や電話番号が一般的で、リストマーケティングもポスティングや電話セールスが中心だったため、かなり人力への依存度が高いマーケ手法でした。
ただ今はインターネットで世界中の人と繋がれますし、集客〜セールスの仕組み化も簡単です。
YouTubeやブログなどにコンテンツを残したり広告運用すれば集客の自動化ができますし、ステップメールを使えば集客後の信頼関係の構築も自動化ができます。そのステップメールの中に商品販売のリンクを設置しておき商品販売ページに飛ばせば、商品販売さえも自動化ができるようになります。
「1対多」の情報発信ができる
リストを5000人集めれば、5000人に対して一瞬でメールを配信することができます。
メールの内容を考えてから書き終えるまでの時間に1時間〜2時間かかるとしても、たったそれだけの時間で、5000人以上の人に対してセールスや信頼関係の構築ができるって、めちゃくちゃコスパが高いですよね。
もちろん実際に顔を合わせて商談をするよりも、信頼構築の深さは落ちるかもしれませんが、それ以上に「世界中のたくさんの人たちに一瞬でリーチできる」ということのメリットは大きいです。
また、面白くて為になるコンテンツを真面目に配信していけば、次第に濃いファンが増えたり、深く信頼してくれる人も増えていきますからね。
集客〜販売までのコストを最小化できる
最も王道的であるメルマガを使ったリストマーケティングの場合、メルマガ配信スタンドの契約料は月々数千円〜1万円前後です。
またYouTubeやブログ、SNSを使って集客する場合は、ほぼ無料でも集客が可能ですし、低コストで集客が可能な分、お金を出しての広告出稿の心理的なハードルも下がりますよね。
メルマガの場合は、登録リストがどれだけ増えても基本的にはコストが上がらないですし(公式LINEの場合は配信数に応じた従量課金制)、オンライン完結型の商品を販売する場合は、集客から販売までの一連の流れを圧倒的な低コストで実現できますね。
そこで浮いた資金を何か別の自己投資に充てられたり、あるいはキャッシュフローを気にしすぎることなくビジネスに専念できたりすることは、資本力のない個人事業主やフリーランスの方にとっては、とてもありがたいことではないでしょうか。
商品に興味がある人の「生の声」を聞ける
そして、直接コミュニケーションが取れます。
メルマガやLINEで読者さんとコミュニケーションをとることで、よりリアルな声を拾うことができますし、その声を元に商品開発をすれば自ずと成約率の高いセールスをすることもできますよね。
例えばダイエット系のメルマガを発行していて、読者さんから「運動の習慣化ができないんです…」という相談を受けたら、習慣化に特化したプログラムを作ったり習慣化を可能にするツールを提供してあげればいいわけですし。
それに頂いたメッセージに返信することで、それだけで信頼残高はどんどん増えていきます。
SNSでも生の声を聞いてコミュニケーションをとることができますが、オープンな場所でのやり取りは興味のない人の目にも触れてしまい、冷やかしか本気か判別できないノイズも増えてしまいます。だからこそ、ある程度クローズドな場所へと参加してもらってフィルタリングすることはかなり大事ですね。
リストマーケティングの3ステップ
実際にリストマーケティングを行う場合は、具体的にどのような手順で進めていけばいいのでしょうか。
- 集客
- 教育(信頼構築)
- 販売
この流れは、ダイレクトレスポンスマーケティング(DRM)における3ステップとして有名ですが、リストマーケティングもこの流れで捉えていただくとスムーズに理解が可能です。
リストマーケティングにおける「集客」
まずはメルマガやLINEなど、こちらが登録してもらいたい媒体に登録をしてもらいます。
LINEの方が登録者の心理的ハードルは低く、このご時世ではメールよりも日常に根ざした存在になっていますが、LINEというプラットフォームに依存することになるというリスクはあります。そのため、メルマガもLINEも両方登録してもらうのがベストですね。
まずは、集客の第一歩としてブログやYouTubeでターゲットに対する露出をして認知を獲得したり、有料の広告を出稿していきます。
その上でメルマガやLINEに登録してもらうという「オファー」を行いますが、見込み登録者にアクションを起こしてもらうために、登録特典を用意するなどのベネフィットを提示すると効果的です。(飲食店のLINE限定クーポンなどは典型的ですね!)
リストマーケティングにおける「教育」
教育とは一言でいうと、商品セールス時の成約率が上がりやすくなるように、
- 読者のマインドセットや考え方を変える
- 自社商品の強みや魅力を伝える
- 読者との間に信頼関係を構築する
などの効果を狙い、コミュニケーションを取ったり情報発信を行うことです。
例えば、スポーツジムへの入会を訴求していくのに、見込み客が「どうせ自分は痩せられない」とか「ジムに通っても続かなそうだ」と思っていたら、いざセールスを投げても良い反応は取れないでしょう。
そのため、集客をしてきた見込み顧客にいきなり商品を売るのではなく、集客時点から販売段階に至るまでの過程で「この人から商品が欲しい!」と思ってもらえるようなアプローチをした方が成約率も上がりやすくなります。
リストマーケティングにおける「販売」
リストを取得して教育が済んだら、いよいよ販売です。
自分でオリジナルコンテンツを持っている場合は、そちらをセールスすればいいですし、自分で商品を持たない場合も他社の商品をアフィリエイトするなどして収益化することができます。
ASPや決済代行サービスを活用することで、商品販売の自動化も可能です。
ここまでの段階で、
リストマーケティングに必要なもの
次はリストマーケティングを実践していく上で、各ステップ別に必要なものを紹介していきます。
集客フェーズで必要なもの
オンライン上でリストを獲得していく上での代表的な集客経路は、ブログやSNS、YouTubeなどのオンラインメディアです。
今では個人で情報発信を行い、自分の存在を多くの人に知ってもらうための場所がたくさんあるわけですから、まずは有益な情報を無料でどんどん発信して、認知を集め興味を持ってもらうことを優先的に進めていきましょう。
僕もこのブログを運営しているだけでなく、こんな感じでTwitterで発信をしたり、
去年の今頃から運営してたブログがちょうど1年で月収100万円を超えたので、記念にその経緯や戦略なんかをまとめた記事を書いてみました…!
我ながらかなりリアルに棚卸しできてますので、ちょっとでも参考にしてもらえたら嬉しいです!https://t.co/Xx1NtT0FEq
— Nozzie / SELFISH WORKS (@nozzie10) September 6, 2019
あるいはYouTubeやnoteなど色んなメディアで情報発信をしています。
また広告費をかけて、Facebook広告やリスティング経由で集客をするのもアリですが、まずは自分の提供する価値に興味を持ってくれそうな人に自分の存在を知ってもらうことを最優先させていきましょう。
その上で、ランディングページ(リスト獲得用のページ)への導線を貼り、魅力的な特典などをつけるなどして、リストを獲得していきます。
- 集客用のメディア(ブログ、YouTube、SNSなど)
- リスト獲得用のページ
- 広告の準備
- 登録してくれた人向けの特典やプレゼント
なお、僕の場合はあえて広告には頼らず、自前のメディア経由の集客を主としています。
リスト獲得〜教育フェーズで必要なもの
代表的なリスト取得先はメールマガジンや公式LINEとなります。
今はメールよりもLINEを使う人の方が多いですが、LINEは従量課金制で配信数が増えるとコストが高騰すること、外部のプラットフォームに依存すること(急にLINE側がサービス終了したら困る)などのリスクもあるので、メルマガもLINEもできれば両方登録してもらうことが理想です。
ステップメール機能を使うことで、登録者にメールを自動配信させられるので、仕組み化が可能です。
また集客〜販売までの間に信頼関係を構築したいので、価値提供のためのコンテンツを用意したり、あるいはSNSで繋がってマインドシェアを取るなどもできれば最高ですね。
- メルマガ or 公式LINEを使えるように
- 価値提供と信頼獲得のためのコンテンツ
- SNSなど多様なコミュニケーションツールで繋がる
販売フェーズで必要なもの
自分で商品を作れる場合は、自社商品の他にセールスレター(商品販売ページ)、決済システムの用意をしましょう。
オンライン上で決済を済ませて、購入者に自動でメールが届くようにすれば、商品販売から納品までの流れを自動化することも可能です。
また商品を作るときは「フロントエンド→バックエンド」という流れを意識してあげると、長期的な売上も上がりやすくなります。
もし自分で商品を作れる段階でない場合は、コンテンツホルダーと提携したり、あるいはアフィリエイトをするのでもOKです。ただ「購入者により高い価値を感じてもらう」ためには、自分でオリジナルな価値を提供できる商品を作った方が好ましいです。
アフィリエイトはあくまで初期のファーストステップか、サブ的に使っていくといいですね。
- 商品
- セールスレター
- 決済代行サービス
- 自社商品がない場合はアフィリエイト
ブログ×メルマガとリストマーケティングは相性抜群
僕はブログを主戦場をしてオンライン上での情報発信をしていますが、ブログの良いところに「一度書いた記事は、検索エンジン上で上位表示され続ける限り、ずっとアクセスが集まり続ける」という点があるんですよね。
過去に書いた記事が、いわば資産のような形になり、新規の読者さんを集客し続けてくれる。冷静に考えてとてもすごいことです。
ただブログはいわば「待ちのメディア」なので、こちらから主体的に読者さんを呼び込むことはできませんし、一見さんのお客さんをリピーターにするのも一苦労です。
そこで、ブログ内でリストを取ってあげることで、発信したい情報があるときはこちらから「この記事書いたから読んでね!」と読者さんに訴求することができるほか、読者さんのニーズにあった商品を販売することだって容易になります。
それにブログはプラットフォームの影響を受けますが、メルマガに登録してもらって、価値のある読み物を提供し続ければ、濃いファンになってもらうことだってできます。すると「この人の情報に触れていたい」と思ってもらえるようになるので、仮にブログが飛んだり消滅してしまったとしても、わざわざあなたのことを探してくれるようにすらなるのです。
だからこそ、ブログを運営している人は、メルマガでもLINEでもいいので(できれば両方)、サイトに訪れてくれた一見さんに登録をしてもらい、いつでも連絡が取れる状態にしていくことをオススメします。
ビジネスの可能性が劇的に広がっていきますので。
ネットで情報発信している人はみんなやるべき!
ブログだけじゃなく、YouTubeでも何でもそうですが、インターネット上で情報発信をしている人ならみんなに言えることですが、普通にリストを取ってメルマガ配信していけばいいのになと。
結構メルマガって聞くと昔ながらの印象を持たれる方も多いかもしれませんが、プラットフォームに依存しないし、読者と良質なコミュニケーションが取れるし、非常に安定感のあるマーケティングツールなんですよね。(LINEもいいけど、突然サービス終了とかになったら、それまでに繋がったリストも無意味になるわけだし)
特に小さな規模でビジネスを展開していく個人事業主的なワークスタイルの方は、みんなリストマーケティングを勉強して真面目に実践していくべきだと自信を持ってお伝えすることができます。こんなに「弱者の戦略」として相応しいものはないですからね。
その辺りの個人ビジネスの戦略や考え方については、メルマガの方でも詳しく学べますので、ぜひ下のバナーより登録してみてください。それでは!