起業や副業に興味のある人が抱きがちな悩みや不安として「失敗しないかどうか不安」とか「リスクがないか心配」というものが挙げられます。
実際に僕も副業で自分のビジネスを始める時や、会社を辞めて独立する時など、あらゆるターニングポイントでそのような不安に襲われたものです。
「起業はリスクが大きい」という声も聞こえるのは確かですが、大事なことは「失敗を正確に定義すること」と「ビジネスの本質をちゃんと理解すること」と「失敗する確率が非常に低いフィールドを選択すること」です。
そうすれば、自ずと失敗とは無縁のビジネスを走らせていけるので、その3つの軸に沿って簡潔にポイントをお伝えしていきます。
そもそも起業における失敗の条件とは?

まず最初に起業における「失敗」の条件を定義しましょう。
その上で、僕たちが本当に避けなければいけない状況を明確にすることで、不必要に悩むこともなくなりますからね。
赤字や倒産は「失敗」ではない!
起業における「失敗」とは何かと聞かれたら、多くの人はこう答えます。
- 赤字になること
- 倒産すること
それも1つの要素かもしれませんが、僕的には赤字も倒産も「失敗」とイコールではありません。
節税対策のために敢えて赤字で計上しているケースもありますし、そもそも赤字だったとしてもキャッシュがあれば会社は動いていきますし、お給料が払えれば社員(代表も含め)は生活していくことができます。
また倒産といっても黒字で会社を畳むこともありますので、会社が潰れたからといって「失敗だった」と定義するのも早計でしょう。
僕の考える「起業における失敗」の定義は「キャッシュが手元からなくなること」です。
失敗とはキャッシュが手元からなくなること
つまり、お金がなくなって生活していけなくなることです。
仮に売上が経費を下回ってしまったとしても、金融機関から借り入れをすることができれば、そのお金で会社を続けていくことができますよね。
会社が潰れてしまったとしても、手元に生活していけるだけのお金が残っていれば、それを元手に何か新しいことを始めることもできますよね。
ただお金がなくなってしまうと、現実問題として生活していくことができません。
だからこそ、まずは何と言っても「手元にお金が残りやすいビジネスをやること」が起業で失敗を避けるための大前提と言えるわけです。
起業の理想は「失敗しないビジネス」をやることだ
自分で何かビジネスを始めたい人が最初に直面するのが「どんなビジネスをやるか」ということだと思います。
特に「やりたいこと VS 稼げそうなこと」論争はSNSなんかを見ていても常に散見されますが、どんなビジネスをやるべきかは「起業する目的」次第だと思います。
ちなみに僕自身が副業で自分のビジネスを始めた時は「リスクがなくて結果が見込めそうなもの」として、まずはブログアフィリエイトからスタートしたのですが、結果的にその判断は大正解だったなと思っています。
特に人生をかけて成し遂げたいことがある訳でもなく、ただ漠然と人生を変えてみたい。そのための手段として選んだ方法が「起業」であり「自分の収入源を持つこと」であるならば、まずは失敗するリスクが極限まで小さいビジネスに取り組み、確実にキャッシュを増やしていくことから始めていくべきでしょう。
そこで得られたキャッシュやスキルや実績などを生かして、どんどん新しいことに挑戦していく。それが弱者が手堅く勝ち残っていく上での最善策です。
失敗リスクの小さいビジネスの条件
世間的にも言われていることですが、僕の思う「失敗のリスクが小さいビジネスの条件」は以下の通りです。
- 利益率が高いビジネス
- 在庫のないビジネス
- 従業員を雇う必要のないビジネス
- 資本のいらないビジネス
- 商品の量産が可能なビジネス
それでは順番に見ていきましょう。
利益率の高いビジネス
いくら売上がたくさんあったとしても、その売上にかかる経費がかかりまくるようならあまり美味しくありません。
シンプルな計算式ですが「利益=売上 − 経費」で導き出せます。
また「年商」と「年収」は基本的に違って、年商は単純に売り上げた金額で、年収はキャッシュとして手元に残ったお金ということになります。すごくシンプルに言うと。
その辺りを混同されている方は多いので注意が必要ですね。
商品を作る際にかかる原価(「COGS」とも言います)がかかりすぎると、どれだけその商品が売れても、手元に残るお金は少ないということになるので、特に最初の頃では高利益率にこだわっていきたいですね。
在庫のないビジネス
また在庫を持つこともリスクが大きいです。
在庫が売れ残り続けると、想定していた金額よりも安く叩き売らなくてはいけない状況になりますし、それでも売れなければ在庫を処分しなくてはいけません。
その場合、処分した在庫を仕入れる際の仕入れ金も売上原価に計上しなくてはいけない場合もあり、つまり「お金をかけて仕入れたのに売れなかった」ということで、ただお金が減ってしまうというだけとなるわけです。
従業員を雇う必要のないビジネス
よく「従業員を雇って事業を拡大する予定はありますか?」と聞かれることがありますが、僕は今のところでは基本的に従業員を増やすことは考えていません。
人を雇うということは、それだけ経費がかかることになりますし、背負うべき人生の数も増えることになります。
もし誰かを雇ったにも関わらず、数字が伸びなくてキャッシュがどんどん減っていたらどうするのでしょうか。解雇すればいいという考えもありますが、そんなに簡単に人一人の人生に対して割り切ることができるのでしょうか。
そんなことを考えると、精神的なプレッシャーは尋常ではありません。人を雇うということは、一般の人には想像できないレベルの責任を抱え込むということになります。
それなら、誰かを雇わなくても回り続けるビジネスを構築してしまった方が遥かにいいです。
開業資金のいらないビジネス
小資本で始められるビジネスに越したことはありません。
最初に大きなリスクを背負いすぎる必要はありませんし、まずは小さく始めて確実にキャッシュを増やして、それを元手に投資していくとかならいいですが、最初から大きな借り入れをして勝負をかけるのはオススメできません。
起業をすると聞くと、大きな資金が必要になると思い込んでいる人も多いですが、実際にはそれが全てというわけではないです。今ならネットを使って小さくビジネスを立ち上げることもできますし、いきなり大きな勝負をかけるよりも、小さな成功体験を確実に積み上げていく方が精神衛生的にも良いですよね。
規模の拡大が容易なビジネス
どれだけ売れる商品を作ったとしても、その販売経路を拡大するのが難しかったり、あるいは商品の量産が難しかったりすれば、売上を伸ばすことができません。
また特定の大口顧客に依存した状態だとビジネスは安定しませんし、収入経路をそれなりに増やしておくことで、急に売上がゼロになるリスクを避けることができます。
省コストで規模の拡大ができて、世界中の顧客にリーチできるようなビジネスができれば、確実にリスクヘッジになりますし売上も安定していきます。
まずはネット上でビジネスをするのがオススメ

僕もそうでしたが、ビジネスをこれから新しく始めていきたい人はインターネット上で完結するビジネスに取り組んでいくのが懸命です。
例えば、ブログやYouTubeでの広告ビジネスや、オンライン上でコンテンツを販売したりコンサルやコミュニティを販売する、いわゆる「情報発信ビジネス」はその好例です。
PC1台で完結するビジネスであれば、必要経費もPC1台とインターネット料金と電気代、あるいはドメイン代やサーバー代くらいです。(勉強にお金がかかるかもしれませんが、それはどのビジネスでも言えることですね)
経費がほとんどかからないということは売上の多くが利益になるということであり、「月商 ≒ 月収」と言っても過言ではないくらいの状況を作ることも可能です。そのためネット上を主戦場にする経営者は節税対策のために「どうやって経費を増やそうか…」と真剣に悩むくらいです。
ブログや情報販売の場合は当然在庫リスクも発生しませんし、1度作った商品を無限に販売することも可能です。
PC1台とネット環境さえあれば始められるので、開業にかかる資金もほぼかからないも同然ですし、ネット起業はレバレッジが効きます。ブログ記事やYouTube動画をアップしたら、どんどん新しい見込み客を集めてくれる優秀な営業マンに様変わりしますし、集客から販売までの流れをオンライン上で仕組み化することも可能です。
つまり自分が作ったコンテンツや仕組みが、従業員の代わりになってくれるのです。(しかも24時間不眠不休で働いてくれるイメージです。)
このような条件から考えても、まずはインターネット上だけで完結する事業に挑戦して、スキルとキャッシュを確実に積み上げていくのが理想ですね!
リスクなしで起業した僕の実体験
僕は元々副業でビジネスを始めましたが、当時は特にやりたいこともなければ、売り物になるような武器も持ち合わせていない(あったのかもしれないけど何も思いつかない)という状態でした。
そんな僕が始めたのが「リスクのない起業」であり、インターネットを使ったビジネスでした。
大学1年の時から使い続けていた古びたWindowsのPCだけで始めた小さなビジネスですが、そこから約3年で年商3000万円を超えるビジネスに成長し、そこから3年以上右肩上がりで成長し続けています。経費もほぼかかっていません。
その流れを簡単に解説すると、
- ブログで広告収入を得る
- オンラインでコンテンツを販売する
という2ステップです。
1.ブログで広告収入を得る
人生を賭けてやりたいこともなく、人に誇れるスキルや実績もなかった僕が最初に始めたのがブログアフィリエイトでした。
とにかく「数を集めて広告に誘導する」という手法が非常にシンプルでわかりやすかったのと、やり方さえ学んだらあとは実践するのみというハードルの低さが魅力的で、「色々と勉強してスキルアップしながら収益化できるなんて最高だ」と思い、ただひたすらにブログのPVアップに打ち込みました。
トレンドになっていること(話題になっていること)を取り上げて、みんなが知りたいことや読みたいものを記事にしていき収益化を図る。この方法で実践から4ヶ月後には会社員の給料以上の収益化ができたほか、
- ブログのアクセスアップができるようになる
- 世間の需要をキャッチしたり予測できるようになる
というスキルを身につけることができました。
今、コンサル生にビジネスを教えるときも、特にやりたいことがない場合にはこの方法をオススメしています。
2.オンラインでコンテンツを販売する
既に何か得意なことがあったり、誰かからお金を貰う対価として提供できる価値があったりする場合は、コンテンツを作ってオンライン上で販売していくといいです。
例えば、英会話ができるとか、ボディメイキングに詳しいとか、動画制作ができるとか、プログラミングができるとか、カメラマンとして活動しているとか。そういう場合は自分の持っている価値を商品化して販売していくことで、ビジネスとして成立しますし、オンラインとオフラインを組み合わせることで商品ラインナップを増やすこともできます。
- 教材販売
- セミナー開催
- ワークショップの開催
- オンラインサロンの運営
- コンサルティング
などなど、商品化の方法は様々ですが、商品ラインナップを考える際には「マーケティングファネル」という考え方を取り入れると、顧客の継続率アップや売上の最大化に繋がります。
僕の場合は、スモールステップで始めて徐々に提供できる価値を増やしていく、という流れでビジネスを進めていきました。
まずはブログで成果が出せたから、ブログ収益化やブログ収益の方法を提供する。その過程でWEBセールスやライティングのスキルが身についたから、次はそれをコンテンツ化する。そのあとはコミュニティ運営や個人ブランディングのスキルが高まったから、それを提供していく…という流れです。
このように、最初は「できることなんて何もない!」と思っていたとしても、スモールステップでスタートして参入障壁の低いものから確実にクリアしていくことで、次第にどんどん手持ちの武器が増えていくものです。
そうすることで、リスクなしでどんどん収益化を拡大していくことが可能になるので、ぜひ参考にしてください。
リスクなしで起業する方法についてまとめ
この記事ではリスクなしで起業する5つの条件と「失敗しないビジネス」を行う流れについてお話ししました。
まず起業における「失敗」とは、キャッシュが回らなくなって事業主が生活できなくなることで、それを避けるためには
- 利益率が高いビジネス
- 在庫のないビジネス
- 従業員を雇う必要のないビジネス
- 資本のいらないビジネス
- 商品の量産が可能なビジネス
に当てはまるビジネスを行うことがポイントです。
今の時代ではPC1つさえあればオンラインで完結できるリスクのないビジネスができます。
そこで確実に自分の資産になるものを積み上げていって、どんどん「できること」を増やしていくといいですね。
何より起業においては、再起不能な失敗さえしなければ、軌道修正を繰り返して徐々に成長して求めている成功を手に入れることも可能なわけなので、まずは「失敗しないこと」を念頭に置いてリスクのないビジネスをしていくのがいいですよという話でした!