この記事では「ステップメールの書き方」について解説をしていきます。
インターネット上でビジネスを展開していく場合、メルマガを活用することで、見込み客に対して一気に関係性を深めたり、共有しておきたい前提情報を教育することで、セールス時の成約率を高めることができます。
僕自身もステップメールを使ったセールスに取り組んでいるほか、ステップメールを活用した自動化セールスのコンサルティングを行い、実装から数ヶ月で月間100万円以上の利益を出すクライアントをたくさん抱えています。
今回はその視点から、ステップメールとは何かという初歩的な前提の共有から、有効なステップメールの書き方や、成約率を高められるようなシナリオ構成、見込み客リストに対してどんな内容の教育を施していけばいいかについてお話ししていきます。
参考になれば幸いです!
ステップメールとは
ステップメールとは、登録をしてくれた読者に対して、あらかじめ用意しておいたシナリオを順番通り配信するメールマガジンのことです。
その一方で、登録してくれた読者全員に対して一括で同じメールマガジンを配信することもできますが、そちらは「スポット配信」や「一括配信」と呼ばれることが多いです。
こちらは実際に僕が使用していたステップメールシナリオ(商品購入者の方への購入者通信)の設定画面です。
配信予定日と配信時刻を事前に設定した上で、実際に送りたいメールマガジンをセットすることで、あとは設定したタイミングで自動的にメルマガが配信されるようになります。
ステップメールを一度セッティングしておくことで、今日メルマガに登録してくれた人にも、半年後にメルマガに登録してくれた人にも全く同じ内容のメルマガを届けることができます。
また、伝えたい内容を順番に設定しておくことで、より戦略的に見込み顧客へのマーケティング活動や信頼関係の構築ができるようになります。
1通目にはこの内容を届けて、その次はこういう話をして、5通目あたりではこう展開して…という流れを事前に設定することで、全ての見込み顧客(読者)に対し、伝えたいメッセージを順番に伝えることができます。
一方で一括送信のメルマガの場合は、過去に配信されたメルマガを読むことはできません。バックナンバーとしてどこかに保存しておいて、いつでも読めるようにしておくことはできますが、臨場感が損なわれてしまうので、リアルタイムで読む場合と比べてあまり響かなくなってしまいますよね。
例えるなら、連続ドラマや長期連載のマンガを、前提知識もなしにいきなり途中から読ませられるようなものです。
それでは話も入ってきませんし、信頼関係や共感を作る上でも難しくなってしまいますので、「誰でも同じ順番で読むことのできる」ステップメールはマーケティングツールとして非常に優秀なのです。
ステップメールを活用するメリット
ステップメールを活用するメリットは大きく以下の4つです。
- 信頼構築からセールスまでの自動化ができる
- 順を追って信頼関係の構築ができる
- 1度仕組みを作ったら長期的に運用が可能
- テストがしやすく改善点の特定が容易
それでは順番に見ていきます。
信頼構築からセールスまでの自動化ができる
ステップメールに登録した読者には自動でメルマガが配信されます。
なので、1度ステップメールを作って登録しておけば、あとは自動で読者との信頼関係の構築やセールスまでの流れを完遂させることができます。
つまり、超優秀なセールスマンを何人も抱えることで、こちらが何もしなくても、こちらに信頼を感じてもらったり、価値観や理念に感じ入ってもらったり、必要な教育が施せたり、商品の提案までできるようになるということです。
また、自分とは合わない人はメルマガを解除してくれるので、自動で好ましくない見込み客をふるいにかけることもできます。
順を追って信頼関係の構築ができる
基本的にメルマガに登録をしてくれた人とは「初めまして」の関係性です。いきなり話の本題に入ったり、あるいは急に商品の売り込みをしても、良い反応が返ってくるわけがありません。
だからこそ「何をどういう順番で伝えていけば信頼を感じてもらえるか」という考え方が大事になりますし、相手の状況に応じて適切なメッセージを配信することが必要になります。
メルマガ読者はそれぞれ違った日にメルマガ登録をしているので、全員を対象に同じメルマガを配信しても、刺さる人もいれば刺さらない人も出てくるのは当然です。
だからこそ順を追って、確実に信頼関係の構築ができるステップメールを活用しないと、1人1人の読者に最適なアプローチができなくなってしまうのです。
一度仕組みを作ったら長期的に運用が可能
一度反応の取れるステップメールを作ってしまったら、それを長期的に運用することが可能です。
例えば、僕の場合は微調整こそ繰り返してはいますが、1度作ったステップメールは数ヶ月〜数年単位で運用していますが、普通に商品が売れ続けていきます。
つまり、仕組みを作ることができれば、あとはただ放置しておくだけでも売上が上がり続けると言っても過言ではないのです。
もちろん、その姿勢ではビジネスはいつか停滞してしまいますし、ステップメールも自分の成長だったり時代の変化に合わせてアップデートしていかないと反応は緩やかに落ちていきます。
ただ「仕組みが稼いでくれる」という状況を作ることで、集客やクライアントのサポートに力を回せるようになるので、自分の手がかからずに働いてくれる仕組みを持つことのメリットは非常に大きいと言えます。
テストがしやすく改善点の特定が容易
ステップメールは登録者全員に、同じ流れで同じメールを配信するため、売上アップのためのテストがしやすいという利点もあります。
例えば、特定の1通分を 2パターン用意して、それぞれ2週間ずつテストをしてみてもいいですし、少し反応が鈍いなと思ったらセールスの際のプッシュを強くするなどの対応もしやすくなります。
もしこれが異なる条件を持つ1人1人に同じメルマガを送るような方法でメールマーケティングをしていたなら、そもそも「どこを改善すればいいか」の特定が難しくなります。
効果的なマーケティングを行うためにも、テストのしやすさという点でもステップメールを活用するメリットはとても大きいです。
ステップメールはもう古いのか??
「ステップメールなんてもう古いよね」という意見を持つ人もいます。
そもそもメールアドレスを日常的に使用する人も少なくなっていますし、今はLINEやFacebookのアカウントを利用して、見込み顧客とコミュニケーションを取る企業も増えてきていますね。
ただ、ステップメールの効果がもうないかというと決してそんなことはありません。
読まれるステップメールはちゃんと読まれますし、登録もしてくれますし、そこから売上も上がっていきます。
ただ「メール」という媒体が使われなくなってきているのも事実ですので、いかに「登録させる理由」や「読ませる理由」を作るかという点が非常に大事になります。
- メルマガじゃなく「講座」や「コミュニティ」という色を強くする
- 読んでもらうメリットの大きさをしっかり伝達する
- この人の発信をわざわざ読みたいと思ってもらう
そういった「読ませる理由」をいかに作っていくかですね。
またそれと同時にSNSやLINEやYouTubeなど他の媒体も集客ツールあるいは信頼構築ツールとして用いていくといいです。
ステップメールを書く上で大事なこと
ステップメールを書く上で絶対に理解しておくべき点はいくつかあります。
それを踏まえた上で書くのと、何となく言いたいことを言うのとでは、得られる効果も大きく変わってしまいます。
- 最初にゴールを設定する
- ゴールから逆算してステップを組む
- 信頼残高を増やす
- 読者のビフォーアフターを意識する
この3つはステップメールを書く上で特有となる重要な考え方です。
最初にゴールを設定する
まずは何のためにステップメールを組むのか、その目的を把握して、目指すべきゴールを設定しておきましょう。
例えば、ゴールが「コンサルの販売」なのか「商品の販売」なのか、あるいは「無料セミナーへの誘導」なのかによって、それまでに教育すべき内容もガラッと変わってしまいますよね。
ステップメールを読み進めた読者に最終的にどんなオファーをするのか、ステップメールを読み進めた読者に最終的にどんな行動をとってもらいたいのか。
それをまず設定していきます。
ゴールから逆算してステップを組む
ステップメールのゴールが決まったら、そのゴールから逆算してステップを組んでいきましょう。
例えば、最終的にオンライン英会話の無料お試しへの申し込みをオファーするとしたら、事前にどんな障壁を乗り越えておく必要があるでしょうか。
- 「英語が上手くなりたい」と思ってもらう
- 英会話上達の必要性を感じてもらう
- 自分にもできるんだと感じてもらう
- オンラインで学ぶメリットを感じてもらう
などが考えられますが、どのような順番でどういう内容の説明をしたら、読者がオファーにより成約してくれるようになるのかを考え、逆算してステップメールを組んでいきましょう。
信頼残高を増やす
ステップメールの目的に「商品のセールスをすること」を掲げる人が多いと思いますが、そのために過剰に売り込んだり、あるいは「相手を説得して買ってもらおう」という意図でメッセージを送り続けると、読者から嫌われてしまいます。
ステップメールのゴールは「商品を買ってもらうこと」であると同時に「信頼関係を構築してファンになってもらうこと」でもあります。
それに商品を販売する際に限らず、何かしらのオファーに応えてもらうためには、それまでの段階で貯めておいた「信頼残高」を使う必要があります。

「信頼残高とは|ビジネスにおける信頼残高の増やし方や減り方をわかりやすく解説」でも解説していますが、信頼残高が不足している状態では商品は普通に売れません。
僕もたまに「他の人のメルマガは売込みばかりで読むのをやめてしまった」という声を読者さんからいただきますが、売込み色が強いメルマガは読者から嫌われてしまいます。長期的な信頼を構築するという視点もぜひ大事にしていきましょう。
読者のビフォーアフターを意識する
最終的なゴールを設定し、ゴールまでの道筋を作っていく際に重要になるのが「読者のビフォーアフターを意識する」ということです。
当然ながらステップメールに登録した時点では、読者は商品を欲しいわけでもないし、実際にセールスをしても購入してくれない可能性の方が高いです。
なので、まずはステップメールを読み進めた先で、最終的に読者にどういう状況になってもらうか(アフター)を決めた上で、ステップメール登録時点での読者の状態(ビフォー)をその真逆として設定していきます。
例えば、最終的な状態(アフター)が「今すぐ行動したいと思っている」だとしたら、最初期の状態(ビフォー)は「別にそこまでして今すぐ行動したいとは思ってない」になります。
その上で、どうしたらビフォーの状態をアフターの状態にに変えられるか、理想の読者の状態に変えていけるかを考えていきましょう。そうしたら「緊急性の教育をした方がいいな」とか「今すぐ行動を起こしたいと思える情報をシェアしないと」といったように、自ずと何を書くべきかが決まっていきますね。
ステップメールで書くべき内容
前述したように、ステップメールで書くべき内容は「読者にどういう変化を及ぼしたいか」で決まってきます。
ステップメールの目的やジャンル次第で変わってきますが、セールスを最終的なゴールとする場合、1通目〜7通目の間で書いておいた方がいい内容(読者に伝えていった方がいい内容)としては、以下のものが挙げられます。(あくまで例です)
- 理想や理念の教育
- 自己開示
- 手段の教育
- 行動力の教育
- 自己投資意識の教育
また、最終的にセールスに対してポジティブな返事をもらうためには、事前に読者から小さなイエスをもらい続けることも大事です。(イエスセットと言います)
なので、ステップメールのあらゆるところで「そうそう!そうだよね!」と同意を得られるような文章を散りばめていくことも必要です。読者に対して前向きな勢いを与えていくイメージですね。
まだ何もわからない人に対して、最終的に信頼を感じてもらうためには、そして信頼してくれた読者からセールス時に購入してもらえるようにするには、どういう前提共有が必要なのか。その辺りをまずは列挙していき、それを踏まえて内容を決めていきましょう。
ステップメールの書き方の具体例
今までの話を踏まえて、ステップメールの書き方についてお話ししていきます。
成約率を高めるための作戦は無数に挙げることができるものですが、ここでは「それぞれの回で何についての話をするか」を主に説明していきますので、ぜひそれを踏まえて参考にしてください。
もちろん、あくまで1つの例にすぎないので、これ通りじゃないといけないわけではありません。
1通目:自己開示と理想の未来の提案
ステップメールを作る上で最も大事なのが1通目です。なぜなら1通目は大抵の場合、読者さんに開いてもらい、そして読んでもらえるから。この1通目の満足感が高ければ引き続き2通目以降も読んでもらえる可能性が高くなりますし、満足感が低ければ2通目以降は読んでもらえません。
1通目は読者さんとのファーストコンタクト。言わば初対面での挨拶です。
まずは自分のことを知ってもらうと同時に、読者が最終的にどうなれるのかを示していく、つまり目指すべき理想の未来像を共有していきます。
理想の未来とは、あなたの発信の軸。すなわち「発信のコンセプト」にもなります。
どういう未来を実現していけば、読者が理想的な状態になれて、そのためにはどんな障壁を乗り越えていけばいいのかを、自分の切り口で真摯に語っていきましょう。
ここで行うべきは、読者との間に共通のゴールを作ってあげること。同じ未来を共有できていないと、どれだけ良いことを言っても、価値を感じてもらえませんからね。
自己開示は単なる自己紹介とは異なります。
自分のヒストリーをダラダラと話すのではなく、理念や思いに説得力をもたらすための手段として、自分の話をするようにしましょう。
つまり、なぜその理念を持つに至ったか、その過程を語るという感覚ですね!
2通目:理念と問題点の教育
2通目も主に理念について語っていきます。
この辺りで具体的な手段(「ビジネスをしよう!」とか)にフォーカスしてもいいですが、まだ2通目の段階では「出会って2日目」です。そんな日の浅い状態で具体性の高い提案がきても、普通のコミュニケーションの場では警戒されてしまいますよね。
それに理想の未来を語るというのは初回の1回だけでは、到底完了できるものではありません。
ここでは、それに加えて「なぜその理想が現状で叶っていないのか」という問題点にフォーカスして、どんな問題点を変えていくべきかを共有しましょう。ここで読者の常識を変える(パラダイムシフトを起こす)イメージです。
仮に正論だとしても、理想が叶っていない問題点として「読者であるあなた自身が悪い」とは言わないようにしましょう。
例えば、多くの日本人が英語が話せない問題点なら「そもそも言語の成り立ちが全然違う」といった風に言語の歴史のせいにするとか、お金を稼げていない問題点を挙げるなら「学校でお金の教育を受けていない」といった風に教育のせいにするとか。
問題の根源に挙げるのはあくまで第三者的な要素である方がいいですね。
3通目:手段の教育①(抽象)
目指すべき方向性、その道のりを妨げている障壁がどこにあるのか、そこの共有ができたら、いよいよ手段の教育に入っていきましょう。
ここでのポイントは「いきなり具体的すぎる手段を提案しないこと」です。
例えば、最終的なセールスが「ブログのコンサルを販売すること」だとした場合、いきなり「自分のブログメソッドはこんな魅力があります」と説明しても、唐突すぎてセールス色がめちゃくちゃ強くなってしまい、単に怪しまれてしまいますよね。
手段を抽象度の高い順に挙げていくなら、
- 自分で事業をやる。
- オンラインで完結するものをやる。
- ブログアフィリエイトをやる。
- 自分のブログメソッドに基づいてやる。
という順番になっていきます。
まずは抽象度の高いところからしっかりと教育をしていき、徐々に具体性の高いところまで絞り込んでいきましょう。
4通目:手段の教育②(具体)
ここではより具体性を高くして、手段の教育を行なっていきましょう。
提案する手段を絞り込むということは、他の手段を排除するということでもあり、その他の手段を否定して自分が提案したい手段の優位性を高めるのも非常に有効な作戦となります。(あるダイエット法を提案するために、他のダイエット法を否定するみたいな)
しかしながら、過剰に特定の手段を否定したり仮想敵にしすぎてしまうと、読者側も不信感を覚えてしまいますし、それで成約を取れたからといって、質の良いお客さんになる可能性はやはり低くなってしまいます。
仮想敵を作るのは効果的ですが、それが劇薬であるということは覚えておきましょう。
5通目:行動と自己投資の教育
どんな領域でも言えることですが、大半の人は「やった方がいい」と気づいていることでも、あるいは「やらないとヤバい」と危機感を抱いていることでも、なんだかんだで行動ができないものです。
仮に「人生を変えたい」と思っていたとしても、
- 今すぐに主体的に動きたくはない
- 今はまだ準備ができてないから後でやろう
- お金をかけてまでやりたくはない
- お金を払うのは怖い
なんて思っているものです。
最終的に自分の商品を販売するわけなので「自己投資は大事ですよ!」的なメッセージを送る場合はかなりセンシティブになりますが、それでも「お金を何にどう使うべきか」というメッセージは送ってあげるべきです。
なぜなら、大半の人はお金を使うべきところ(自己成長とか人生を豊かにするもの)に使わず、お金を使うべきでないところ(浪費とか不必要な固定費)に費やしてしまっているからです。
…という感じで、今僕がお伝えしていることこそ「お金の教育」になるわけですが、お金や投資の教育をすることは読者の人生をポジティブに変えるものなので、ぜひ「操作する」のではなく「自分の理念を語る」つもりで真摯に語っていきましょう。
6通目:今までの復習
6通目はセールスの一歩手前というイメージです。
セールスは必ずしも7通目で行う必要はありませんが、あまりにもダラダラとメールを送り続けていても、読者の集中力も途切れてしまいますし、登録から時間が経てば経つほど、当初の熱量も損なわれてしまいます。
なので、1週間〜10日後あたりでオファーを出してあげるといいですね。
いきなりセールスをするのではなく、今までの総復習的な内容を挟んであげたり、ここでオファーの布石となるような告知をしていきましょう。(動画を用いたりするのもアリです)
7通目〜:セールス
7通目からはいよいよセールスです。
ここまでのステップメールで信頼関係が築けていれば、そして「この人の近くに行きたい」とか「問題を解決するために行動を起こしたい」と思ってもらえていれば、高い成約率も見込めるでしょう。
またセールスは1日だけで終わらせず、3日ほど継続してあげるのがオススメです。
あまりにも長々とセールスをすると売り込み色が強くなって信頼残高を下げてしまいますが、1日だけしかセールスをしないと、そもそも読み飛ばしてセールスに気づかない読者がいたり、迷っている読者に対して逆に不誠実になってしまうからです。
- 7日目:普通にセールス
- 8日目:切り口を変える / 追加特典など
- 9日目:限定性や緊急性 / 最終追加特典など
上記はあくまで例ですが、読者(見込み客)が買わない理由をなくしてあげるイメージを大切にしましょう。
ステップメールの成約率を高めるためのアイデア
次はもっとミクロな視点で、ステップメールの成約率を高めるための小技を紹介していきます。細かい話が多くなりますが、ぜひ参考にしてください。
商品の前提を事前に共有しておく
例えば、有料でコンサルや勉強会、オンラインサロンをやっている場合、それをメルマガの1通目で(あるいは節々で)示唆しておくことをオススメします。
有料商品の存在を伝えることで興味を持ってくれる人も増える可能性が高いですし、逆に何の前提もないままに7通目あたりで急に「コンサルを販売します!」と言われても、読者は面食らってしまうだけでしょう。
「マーケティングファネルとは|事例と図解で初心者にもわかりやすく解説!」でも解説している「ファネル」の下層部でやっていることを上層部でも示唆することで、自然と興味を持ってくれる人も増えることが期待できますからね。
読者からの返信を促す
読者に対して一方通行で配信するだけでなく、相互にコミュニケーションが取れるよう、読者の返信を促すような工夫を施しましょう。
僕の場合は敢えてハードルを設けて「課題」という形にしていますが、普通に返信をお願いしてもいいですし(もちろん説得力のある理由の存在は必要です)、返信者限定のプレゼントを用意するのもアリです。
そこでコンタクトが取れれば信頼関係を深めることができますし、イエスセット(小さなイエスを繰り返して本命のイエスを獲得すること)も期待できます。
単にメルマガを送って終わりではなく、熱量のある返信を貰うこと、そこからコミュニケーションに発展させることも目指していきましょう。
読者に何かしらの行動を起こしてもらう
最終的にセールスするオファーの内容に関係する行動を起こしてもらうことも有効です。
例えば、ダイエット系のコンテンツを販売するなら、まずは体重や体脂肪率をレコーディングしてもらうとか、ブログの教材を販売するなら、サーバー契約やドメイン取得、wordpressでサイトを立ち上げるところまで進めてもらうといったような具合です。
一貫性の原理といって、人は一度取った行動に一貫した行動を取りたがる傾向があります。まずは最初に何かしらの行動を起こしてもらい、そこから更に加速させていきたい人のためにセールスをするというイメージです。
ベネフィットを具体的に語る
色んな方のステップメールを添削してよく感じる課題に「具体的に読者がどうなれるのかがわからない」という点があります。
結局のところ、読者は「自分がどうなれるのか」にしか興味がないわけですし、そこが不明瞭だったり、説得力がなかったり、現実味が感じられなかったりすると、どれだけ良い流れでオファーをかけても読者は首を縦に振ってくれません。
もちろん誇大広告になってはいけませんが、抽象度の高い表現ばかりにならないように、具体的にどんな未来が手に入るのかを数字を使ったり、情景が思い浮かぶように丁寧に語ったりしながら、ベネフィット(利益)を伝えていきましょう。
お客様の声を効果的に用いる
読者は「自分がどうなれるのかにしか興味がない」と言いましたが、メルマガ発行者であるあなただけが「自分はこうなれました!」とか「この商品にはこういう効果があります」という話ばかりしていても、説得力がなかったり「あなただからできるんでしょ」と響いてもらえない可能性が考えられます。
それを解消するためにも、お客様の事例を活用していきましょう。
お客様の推薦の声をダイレクトに用いるのもいいですし、「こんな悩みを抱えていたクライアントが、この商品を通じて最終的にこんな未来を手にした」といった形で、ストーリーの力を使うのも効果が大きいですね。
また実際に商品を購入した人の存在を多数示唆することで、バンドワゴン効果も期待できます。

緊急性の高いものについては即オファー
一般的なステップメールの流れは、この記事でも紹介している通り、しっかり信頼関係を構築して7通目あたりでセールスがくるというものです。
ただ、例えば夫婦問題の解決といったように、読者が今すぐにでも解決したい問題を抱えている場合は、すぐにクロージングをした方が読者のためになることもありますよね。
あなたが提供するサービスや商品の性質を考慮して「すぐにオファーを流すべきだ」と判断した場合は、1通目あるいはメルマガ登録後のサンクスページで商品の案内をした上で、再度7通目でセールスをするのも普通にありですね。
ステップメール上達のコツ
ステップメールに限らず、良い文章コンテンツを作れるようになるためにオススメなのが、クオリティの高いコンテンツの分析&写経です。
僕が初めてステップメールを書く時は、自分が実際に読んでハマったステップメールをいくつかピックアップして「この一文があることでどんな効果が生まれているのか」とか「なぜこの単語を使ったのか」といったところに思いを巡らせたり、1通のメールの構成などを分析しまくりました。
そうすると、自ずと読みやすい文章のリズムが身についてきたり、「具体と抽象を行き来すればいいんだな」といったように大事なポイントが掴めてきます。
読んで分析するだけでは掴めない場合は、実際に写経(一言一句、改行の位置なども全てそっくりそのまま同じようにメルマガを書いてみること)をしてみて、感覚を養っていきます。
読みやすくて面白いメルマガには規則や共通点のようなものがありますので、まずは徹底的にインプットして、同じようなクオリティのものをアウトプットできるようにすることを優先すると、最低限、良い文章が書けるようになっていきます。
あとは、文章力は「どれだけ文章を書いたか」と「どれだけ文章を読んだか」で決まってくるのも事実です。
つまり、良い文章を書けるようになるまでにはそれなりの時間がかかるものなので、最初から完璧を目指さずに、とりあえず最後まで完走することがゴールでもいいと思います。その上で定期的に見直してみたり、修正したり、書き直していって、徐々に100点に近づけていくイメージですね。
ステップメール中級者以上の方へ
ここからは既にステップメールの運用歴が長い人のための内容です。
スポット配信をステップメール化しよう
初めてステップメールを作成する場合は、1通目〜10通目くらいまで書き終えたら、そこでステップメールは一旦ストップして、あとはスポット配信に切り替えていくケースが多いと思います。
リアルタイムで一括配信できるスポットメルマガを活用することで、より臨場感のある価値提供ができるのも事実なので、スポット配信は積極的に送ってあげたいですが、スポットメルマガの配信が増えてきたら、反応が良かったものをステップメールに組み込んでいくのもオススメです。
そうすることで、こちらが何もしなくても数ヶ月〜1年という単位で読者に対して継続的な価値提供を行うことができますし、リストを枯らす(あるいは凍らせる)リスクを減らすことができます。
毎日配信をするのは流石に読者にも飽きられてしまう可能性が高くなるので、1週間〜10日に1通あたりの感覚でセットしてあげるといいですね。
シナリオを分岐させてターゲットに合った配信を
ステップメールは全員の読者に対して、同じ価値提供を自動で行える点が魅力ですが、全ての読者が同じような属性で同じような悩みを抱えているというわけでもありません。
発信やセールスをする上では「それぞれの悩みに対してベストな解決方法を提示する」ことが重要なので、読者の属性や伝えたいメッセージ、売り物に応じて途中でステップメールを分岐させるのも読者数が増えてきたら有効です。
このような形で、メインのステップメールは「信頼残高を増やすこと」を目的に、理念や価値観を語りファンづくりのためのメールを用意してあげて、具体性の高い手段の話やセールスに関してはシナリオを分岐させて、メルマガ内で登録用のリンクを紹介し、登録してくれた人にだけ配信していくイメージです。
こうすることで、商品に興味がない人にはセールスがかからなくなるので、信頼残高の低下を防ぐ効果が期待できます。
ステップメールについてまとめ
ステップメールは、登録してくれた読者に対して、事前に用意しておいたメルマガを自動で順番に配信することができるシステムのことです。ステップメールを活用することで、読者との信頼関係の構築やブランディングを自動で行うことができるようになり、セールスの自動化も可能となります。
ステップメールの目的としては「商品を販売すること」と「信頼残高を高めること」が挙げられますが、大事なのは「売ろうと思えばいつでも売れる状態」を作ることであり、強引な押し売りばかりしていたら、読者はすぐにあなたの元から離れてしまうので、いかに信頼残高を高めるかが最重要です。
信頼残高を高めることを前提とした上で、成約率を高める工夫を施していくといいですね。
そのためにも、読者の状態を意識して、理念や価値観を共有し、必要な教育を適切な順番で届けていきましょう。
また、僕のステップメールは下のバナーから登録ができますので、ぜひ1つの参考事例として色々と分析してもらえたら幸いです。
それでは!ステップメールを活用して、ぜひビジネスを加速させていってくださいね!