8.マーケットに自分だけのポジションを築く

ルール7ではメディア運営についてお話ししましたが、今日はブランディングについて。

個人でビジネスをしていく上で絶対に意識しないといけないのが「自分をブランディングする」という感覚です。

「ブランディング」と聞くと、大きな企業がやっているようなことだったり、あるいはアパレルブランドや飲食店のような華やかな業界に関することだったり、芸能人がやっているようなイメージで、自分とは無縁の話だと思われるかもしれませんね。

ただ、実は日常生活の中でも、無意識のうちに僕たちは自分をブランディングしています。

例えば、学校でクラスメイトからどう思われたいかを意識して言動を考えたり、会社の営業やプレゼンの前に、それに相応しいネクタイやメイクを選んだり、合コンの前に戦略を練ったり…。こういった全ての行為が「ブランディング」の一環です。

個人でビジネスをしていく上では、大衆型のブランディングをして、とにかく数で勝負して…という巨大資本を持つようなやり方はまず難しいです。

これから個人でお寿司屋さんをやろうとしても、まずかっぱ寿司やスシローのような戦略は取らないですよね?

なので、しっかり自分のブランドを作り、まずは少数の顧客に深く愛される事業を作る。その上で、徐々にリーチする範囲を広げていくのが、個人ビジネスの鉄則です。

そもそも会社の看板を使わずに個人でビジネスをしていく以上、商品としての個人をブランディングしていくという感覚は当たり前になりますね!

なぜあの商品が好きなのか

「ブランディング」を考える上で、まず大事になってくるのは「人はどんなものにブランドを感じるか」ですが、それを知る上で重要なのが「自分が好きな商品やブランドや人」を思い出してみることです。

例えば、僕は独立起業してからずっとAppleの製品を愛用しています。

デスクトップはiMac、ノートパソコンはMacbook、スマホはiPhone、イヤホンはAirPodsといった具合ですね。(Appleウォッチは持っていませんが…!)

ただ、Windows製のPCとApple製のPCを比較した場合、ソニーのイヤホンとAppleのイヤホンを比較した場合、機能だけ見ると必ずしもAppleの方が優れているわけではありません。

ただ、「なんかいいな」とか「なんとなくカッコいい」とか、そういう理由で選ばれているのが、Appleではないでしょうか。

また世の中には様々なインフルエンサーがいますが、その中で自分なりに「好き嫌い」を分析してみるのも良いと思います。

そうすると、必ずしも「売れている人の方が好き」とか「影響力が高い人の方が好き」というわけではないことが自覚できるのではないでしょうか。

つまり「機能面」ではなく「感情面」で訴求できるブランドの方が強いということになりますが、何がここまで自分の(人々の)心を動かしているのか、逆になぜあのブランドには惹かれないのか、そこを言語化していくことが、自分のブランドを作っていく上での始まりなわけです。

自分をブランド化するメリット

ちなみに僕がAppleの製品を新しく購入する時、特に他社製品との比較検討はしませんでした。なので僕はApple以外の企業が出している、Bluetooth接続型のワイヤレスイヤホンにどんなものがあるのか、いまだによく知りません(笑)

もちろん初めてMacのPCを買うときは、多少はスペックなどを見ましたが、それよりも「あれだけスタバでmacbookをカタカタしている人がいっぱいいるわけだし、カッコいい人たちが持っているんだから、まぁ間違いないだろう!」という思いの方が強かったです。

ルール6では「LTV」という概念を説明しましたが、僕は定期的にPCを買い換えているほか、イヤホンやスマホなど様々な製品を愛用しているので、購入する商品数も多くなり、結果として平均単価も購入回数も高くなっているわけですね。

このように自分にブランドができれば、LTVが高くなりますし、比較対象がなくなるとも言えます。

人はそもそも何かしらの決断を下すことにストレスを感じる生き物なので、決断の上での「迷い」を減らせるものなら減らしたいと潜在的に思っています。

僕自身もずっと5年以上も同じメンター(あるいはその界隈の人)にお金を払ってビジネスを学んでいたことがありましたが、もちろん「自分にとって価値があるから」受講を続けていた部分もありますが、「今さら他の人を探すのも大変だし」という思いも多少はあったことは間違いないでしょう。

Appleのように「このブランドが出す製品なら間違いない!」と思ってもらえれば、顧客のロイヤリティも高くなり、長くリピートされたり、他の関連商品も購入してもらいやすくなるということですね。

感情的価値と機能的価値

ブランディングを構成する要素として有名なのが「機能的価値」と「感情的価値」です。

機能的価値とはスペックとか持っているスキルとか、数値化できるような価値のこと。

例えば、カメラだったら画素数がどうとか、最大で何時間まで動画を取れるとか、軽さがどうとか、どんな機能がついているとかそういうことですね。

一方で感情的価値とは、そういった数値化できる機能とは関係ないところで、「なんかいいな」とか「あのブランドが好き」と思ってもらえることです。

僕がAppleに対して感じているのもまさに「感情的価値」ですが、例えばカメラだったら「カメラは絶対にニコンと決めている」という人もいたり「ソニーのカルチャーが好きなんだよね〜」という人もいたりしますよね。

自分をブランディングしていく上では、まず自分の機能的価値を客観的に洗い出してみた上で、どうやって感情的価値を育てていくかイメージしてみることが重要です。

機能で集めてきて感情に移行させる

さて、機能的価値と感情的価値はどちらが重要かという話ですが、もちろんどっちも大事なのは言うまでもありませんが、ここまでの流れから「感情的価値の方が大事そう!」と思われたかもしれませんね。

その読みはとても素晴らしいです。

機能面だけで勝負をしてしまうと、必ず競合他社と比べられてしまいますし、その場合に行き着くのは「過当競争」です。つまり「他社よりも値段を落とそう!」とか「もっとスペックをあげよう!」と考えて、利益率が下がってしまったり、顧客が求めていないスペックを追求してしまったり…という未来が待っているわけです。

一方で感情的な側面でアプローチができると、上でお伝えしたAppleの例のように「このブランドが好きだから買う」と感じてもらえるようになり、LTVが上がりやすかったり、あるいは競合の存在を無効化できるんですよね。

だから、最終的には「○○さんが好きだから」という理由で選んでもらえるようになるのがベストです。

ただ、最初からそんなことができるのかという疑問は残りますよね。

まだビジネスを始めたばかりのタイミングで、初めて出会う顧客に対して「なんかスペックとかよくわからないけど好き!」って感じてもらうことは、まず難しくないでしょうか。

だからこそ意識していきたいのは、まずは機能的価値の部分を訴求して、しっかりと魅力とか有用性を感じてもらい、その上でしっかりと価値提供を行ったり、魅力的な世界観を整えるなどして、感情的な面にもアプローチしていくということですね。

感情的価値の高いブランド(ファンの多いブランド)として有名なのがスターバックスですが、そもそもスタバのドリンクって普通に美味しいですからね。また店の立地も良かったり、雰囲気も落ち着いて過ごせますし、機能的価値も普通に高いです。

どれだけ感情的価値を高めようにも、機能面で訴求できなければ、好きになる / ならないの段階にまでいきません。

自分の客観的なスペックを洗い出そう!

まずは自分の機能的な価値を客観視するという意味でも、客観的なスペックを洗い出していきましょう。

  • 自分が出している実績
  • 自分が持っているスキル
  • 自分の経歴
  • 自分の得意なことやその根拠

といったような要素をどんどん洗い出していくことで、商品としての自分の客観的な価値が可視化できるようになります。

ここでのポイントは「具体的に書くこと」です。

例えば、僕が初めてブログを実践した時は、月収24万円まで伸ばすことができたのですが「ブログで月に24万円稼いでいる人」だとどうでしょうか。すごいのかも知れないけど、いまいちすごさが伝わってこないですよね(笑)

ただ「副業でブログを実践して月に24万円稼いでいる人」だと「副業でそんなに収入が増えるのならすごいな」と感じられるようになります。

また僕の場合は実践開始から4ヶ月で月に24万円を稼ぐことができたので、「副業開始から4ヶ月でブログ収入が月収24万円突破した人」になり、もっと価値が上がっていくわけです。

あるいは比較対象を設けて「世の中の8割以上のブログ実践者が月収1万円以下の中で、副業開始から4ヶ月でブログ収入が月収24万円を突破した人」になると、更に自分の価値を表現できるようになります。

これは別に「自分をすごく見せようね!」ってことではなくて、自分の持っているものを正確に表すことで、より自分の価値を正しく的確に表すことができるということです。

また自分の客観的な事実を示すことで共感を産むことができます。

例えば「一流大学から一流企業に入った」という話をすれば高学歴の人に共感してもらいやすくなりますし、専業主婦でワンオペ育児をしているという話をすれば、同様に子育て中のママさんに興味を持ってもらえます。

こうした「共感」は感情的価値を高める効果もあるので、ぜひ「これって自分のビジネスに関係あるのかな?」という疑問はいったん置いておき、どんどん具体的にたくさん書き出してみましょう。

参入マーケットを分析しよう!

自分の特徴を洗い出したら、それで終わるのではなく、これからビジネスを行っていく上で競合となるような存在を分析していきましょう。

もしインターネットビジネスのコンサルをするなら、同じくインターネットビジネスのコンサルティングをしている人をとにかく洗い出してみる。(「ブログ」とか「YouTube」とか「インスタ」とかジャンルごとに絞ってやるのも推奨)

もしヨガの発信をしてオンラインで収益化を目指していくなら、ヨガの発信をしている人をとにかく分析して、誰が人気があってどんな人が売れているのかを洗い出してみる。

この時に注意が必要なのが、一人一人の特徴を洗い出すのに躍起になりすぎるのではなく、このマーケットにどんなライバルがいてどんな特徴があるのだろうか…といった具合にマーケット全体を捉えるという点です。

例えば、僕が最初にブログについての発信を始めようと思った時、色々とネットを探してみても、どこか胡散臭そうだったりギラギラしていたり、「南の島で自由な生活!」的な世界観をプッシュしすぎていたり、オラオラした人が多かったりと、クリーンで普通の若いイケてる人がハマりそうなブランディングが少ないなーと思いました。

マーケットの中で、どういうポジションを取っている人が多くて、どのポジションが空いているのか。そういう俯瞰的な視点で捉えていくと、自分のブランディングにも活路が見えてきますね。

ターゲットを絞っていこう!

ビジネスをする際には必ず「ターゲット」を決めることになりますが、「自分が提供するコンテンツを欲している人」を「ベネフィット(商品を購入して得られる効用)」だけで考えると、幅が広くなりすぎてしまい、特定の誰かのための発信をすることができません。

人は「この商品(or 人)は自分のための存在だ!」と強く思った時に、熱狂的なファンになります。

僕も浪人生時代にMr.ChildrenのHANABIを聴いた時「この歌詞は自分のことを歌っている!」と思い、鬼のようにリピートしたことがありますが、まさにそんな感じです。

例えば、ブログの収益化を教えるからといってターゲットを「人生を変えたい人」とか「本業以外に収入源が欲しい人」と定義しても、「それって世の中の人ほとんどじゃない?」となってしまいますよね。

基本的に個人単位でコンテンツビジネスをしていく際は、そこまで多数の人にリーチさせる必要はないですし、むしろ特定少数の人から熱狂的なロイヤリティを獲得することの方が遥かに大事です。なんなら忠誠度の高い顧客が5人だけでもいいんです。それだけいればライトなファンもどんどん獲得できますから。

例えば「本業以外に収入源が欲しい人」がターゲットであれば、

  • なぜ、その人は本業以外に収入源が欲しいの?
  • なぜ、その人はその本業に就いているの?
  • その人は収入源が増えたらどうしたいの?
  • その人は普段どんな生活を送っているの?

と、どんどんターゲットの悩みや普段の生活や考えていること(これらを「インサイト」と言います)を洗い出していくと、よりターゲットの像が明確になっていきますよね。

自分をブランディングする上で大事なのは「誰のための存在になるか」です。そこがフワッとしてしまうと、八方美人で誰からも深く愛されないブランドになってしまうので、ぜひ気をつけていきましょう。

自分のポジショニングを築こう!

今までの話を総合すると

  • 自分の客観的なスペックを洗い出す
  • マーケットの状況を分析する
  • 自分が誰のための存在になりたいかを考える

という3つの点がブランディングにおいて重要なのですが、この3つの軸を抑えながら「自分がどういうポジションを取ったら、最もプラスになるか」という考え方をしていくことが大事です。

例えば、僕が参入したばかりの時のインターネットビジネスの世界は「社会からドロップアウトしている人が一発逆転を狙う場所」みたいな感じだったわけですが、これから「普通に良い大学に行って、良い会社に就職して…」という文化で育ってきた普通の若者がもっとこの世界に魅力を感じて、普通に参入してくるようになるだろうと思ったんですね。

現に大学時代の友人たちも、社会人になって「会社を辞めたい」と漏らすようになったり、普通に大企業を辞めて創業間もないベンチャーに転職する人も増えていました。

そんな中で、僕自身の属性も「社会のレールに沿って、受験勉強を頑張った末に世間体の良い大学に入り、普通に大学生活を楽しみ、就活は人並みに苦労した末に人気企業に入り…」というものだったので、ここで自分が「普通に良い大学、良い会社に入ったけど疑問を感じてる人」をターゲットにしたら、かなり良い線いけるんじゃないかと確信を持てたわけです。

つまり、自分のスペックや個性が発揮できて、ターゲットにドンピシャで刺さって、マーケットにライバルが存在しないところに陣取れたら、もはや勝ちが確定するわけですね…!

もちろん、現実的に「誰もいないポジション」を構築するのは難しいことですが、できるだけマーケット内で自分を差別化させて、かつ特定のターゲットにドンズバで刺さるような場所を見つけてみましょう。

発信がうまくいかない理由

ビジネスとしての情報発信が上手くいかない理由として、

  • 誰にも発信が届かない
  • 届くべきでないところに発信が届いてしまう

この2つがあると僕は思っていまして、「誰にも発信が届かない」というのは、単に集客ができていないとかそういう話ではなく。要は広く浅い発信になってしまって、誰の心にも残らない発信になってしまうということですね。

逆に「届くべきでない相手」にまで発信が届いてしまうことで、不必要に炎上してしまったり、精神衛生的にも楽しくビジネスをやっていけなくなりますし、自分が本当に届けたい相手からは「この人は自分のための存在じゃないかも」と思われてしまうリスクも高まります。

個人単位のコンテンツビジネスは広く浅く不特定多数の人を狙うのではなく、特定の誰かのための特別な存在になることが一番ですが、バズらないからこそ上手くいく弱者の戦略を採用していくべきです。

まずは誰のための存在になりたいのか(or なるべきなのか)と、その人からどういう存在として認知されたいかを決定することを通じて、機能面と感情面の両面からブランドを感じてもらえるような存在になっていきましょう!

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